Nexus2はカナダのソフトウェア音源ブランドreFXが販売するPCM音源。
国内ではトランス向けの音源というイメージが強いが、実際はエレクトロ、ハウス、EDM、HipHop、POP、映画サントラまで様々なジャンルに対応するマルチ音源だったりする。
汎用性も高く、誰でもすぐにクオリティの高い音を手に入れらることから非常に人気がある音源。
拡張ライブラリも豊富で、ここ数年流行のEDM向けのライブラリや、ハリウッド映画等で使われそうな壮大なオーケストラサントラ向けのライブラリなど、必要に応じて音色を追加できるところも人気の理由である。
PCM音源なので、VAシンセのように一から音を作ったり自由自在に音を加工することは出来ないが、フィルターや、主要なエフェクター、アルペジエーターやトランスゲートも搭載されているのでそれなりに音色を加工することが出来る。
「シンセの醍醐味と言えば音作り」
というユーザーも多いが、中には音作りに時間を掛けたくないユーザーが多いのも事実。
VAシンセのパッチが売れているのがその証拠である。
ちなみに、
「シンセのプリセット派は邪道」
という考えの人もいるが、ニーズは人それぞれ。
やりたい人だけやればいいのである。
別に全員が全員サウンドクリエーターになりたいわけではないのだ。
・・・横道に反れ過ぎたので軌道修正。
Nexus2にはPCM音源ならではの面白いところがある。
それは、ノートを1つ鳴らすだけで”フレーズ”が再生されるサンプルが多く収録されているという点。
ループ素材を各ノートに割り当てた感じと言えば想像しやすいだろうか?
PCM音源は、事前に記録したサンプル波形を発振させる仕組み。
ということはサンプルさえ用意できればどんなフレーズでも1つのキーで再生できるわけだ。
つまり、ドラムのフレーズのサンプルを用意すればドラムのフレーズが、ボーカルのサンプルを用意すればボーカルのフレーズがたった1つのキーを押すことで再生することが可能なわけである。
ということは、例えばC1(ド)のキーにドラムフレーズの波形、D1(レ)のキーにベースのフレーズ、E1(ミ)のキーにギターのフレーズを割り当てられててあれば、C1、D1、E1の3つのキーを同時に押さえるだけでバンドの演奏が出来てしまう。
Nexus2にはこういう使い方を考慮した様々なジャンルのサンプルが数多く収録されているため、複数のキーを押すだけで誰でも簡単に作曲が楽しめるというわけだ。
2~3つのキーを押さえるだけで、ハリウッド映画で聴くような本格的なオーケストラの楽曲を流すことも可能、エレクトロで使われるようなトラックを作ることも可能なのだ。
作曲初心者にとってはかなり面白い道具なのでなないだろうか?
DTM歴の長いユーザーからすると「ちょっと反則じゃないの?」と思ってしまう話だが、そこはさっきの話と一緒。
ニーズは人それぞれ。
一からフレーズを作りたい人だけ作ればいいのである。
別に全員がアレンジャーになりたいわけではないのだ。
最後に肝心の音質について。
様々なハイクオリティ音源がリリースされている現在、Nexus2のサンプルの音はお世辞にも「すこぶる良い!!」とは言えない。
ただ、「すこぶる悪い!!」というわけでもない。
それなりのクオリティという印象だ。
また、Nexus2はマルチアウトに対応していない点も一応書いておく。
まあ、そういう使い方をする音源でもないのだろうけど。
対応していると思って買って、対応していなかった時のショックって結構デカいじゃないですか?
使ってみると分かるが、それなりのクオリティのものがサクっと完成してしまう。
作曲に慣れていないユーザーにとっても手軽に作曲が楽しめるなかなか面白い音源である。