「DTMを始めたいけど一体何を準備すりゃいいの?」

今回はそんな人の為に、「DTMを始めるのに最低限必要なもの」と「あると便利なもの」をまとめてみようと思う。

DTMを始めるのに最低限必要なもの

1.パソコン

DTMとは(Desktop Music)という和製英語の略語で、パソコンを使用して音楽を作成編集する事の総称。
ということで、まずはパソコン(コンピュータ)が必需品になる。
DTM専用のパソコンというものが存在するわけではないので、ネットやそのへんの電気屋さんで売っている一般的な家庭用パソコンでもOK。
現在一般家庭向けに普及しているパソコンはOS(オペレーティングシステム)にMicrosoftのWindowsを採用したWindowsマシンとAppleが販売するMacの2種類が存在するが、どちらでもDTMはできる。
どちらかが既に家にあるという人は、そのパソコンでもDTMは始められる。
ただし、DTMは比較的重めの処理をパソコンにしてもらうことになるので、ある程度のスペックを持ったパソコンである必要があるので注意。
スペックが不足していると、パソコンがフリーズしたり、エラーが出たり、最悪の場合ソフトを立ち上げることすら出来なかったりということが起きてしまうので、その場合は新たにある程度スペックの高いパソコンを準備する必要がある。
では、具体的に、どのくらいのスペックが必要なのか?
以下にまとめてみた。
パソコンを選ぶときのポイント

2.オーディオインターフェース


「サウンドハウス」オーディオインターフェースのページへ。

これからDTMを始めるという人は「オーディオインターフェース」という言葉自体、聞いたことがないんじゃないだろうか?
オーディオインターフェースとは、簡単に言ってしまえば音楽製作用途向けに作られた外付けのサウンドカード。
サウンドカードとは、パソコンの中に入っているパソコンから「音」を出すための機能を担う部品のことだ。
市販のパソコンにはもともとこのサウンドカードが組み込まれているので、パソコンで音楽を聴いたり、YouTubeで音声付きの動画が観れるわけだ。

「もともと入ってるならいらねーじゃん!」

と思うかもしれないが、一般的なパソコンに搭載されているサウンドカードにはマイクやギターを繋ぐための入力端子やモニター用のスピーカーを繋ぐための出力端子が無い。
オーディオインターフェースには音楽製作をするにあたってあるとありがたい入出力端子が備わっているのだ。
まあ、最近のサウンドカードはかなり高性能になってきているので、マイクもギターも使わないし、出力もイヤホンでいいという人はオーディオインターフェイスがなくてもある程度DTMができる場合もある。
AppleのMacなんかは内蔵のサウンドカードだけでもそれなりにDTMができてしまうだろう。
しかし、デジタルレコーディングに付きものの「レイテンシー※1」という現象を最小限に抑える為にも、初心者の方もオーディオインターフェースは準備した方がいいと個人的には考えている。

※1レイテンシー:パソコンに音を出せという指示を出してから実際に音が出るまでに若干の遅れが発生する現象。詳しくは以下の「オーディオインターフェースを選ぶときのポイント」を参照。

オーディオインターフェースを選ぶときのポイント

3.モニタ


「サウンドハウス」スタジオモニターのページへ。

ここでいうモニタとはスピーカーのこと。
オレのパソコンにはスピーカーが付いてるから大丈夫と思った人もいるかと思うが要注意。
前述のオーディオインターフェースを使うと、パソコンに内蔵されているサウンドカードからオーディオインターフェースに音を出す機能を切り替えるってことになる。
つまり、パソコンに内蔵されているスピーカーからは音が出なくなってしまうのだ
もちろんパソコンに付いているヘッドホン端子にヘッドホンなどを繋いでも何も聴こえない。
で、不親切極まりない話だが、オーディオインターフェースってものには出力端子はあれどスピーカーやヘッドホン、すなわち音の出口は付いていない。
つまり、別途スピーカーやヘッドホンを用意しないといけない。
個人的には、接続端子の型が合うのであれば最初は家にあるスピーカーやヘッドホンで済ませても良いと思う。
どうしても音質に満足できなくなったタイミングで新しいものを買えばいい。
ただし、ミキシング、マスタリングまでやるとなると話は別。
その辺で売っているスピーカーやヘッドホンってのは、極端に低音が強かったり、弱かったり、色づけされていたりと、リスナーが音楽を気持ちよく聴けるように調整されていたりする。
こういったスピーカーやヘッドホンでミキシングやマスタリングをすると、リスナーに意図しない音を届ける原因になってしまう。
ミキシング、マスタリングまでやるという人は、クセの少ないモニタ用のスピーカーを準備したほうがいい。

モニタを選ぶときのポイント

4.DAW/音楽制作ソフト


「サウンドハウス」DAW/シーケンスソフトのページへ。

パソコンで音を録音したり、再生したり、いわゆる打ち込みをしたり、曲を組み立てたりするソフト(アプリ)。
有料のものだと、最近は後述の「音源」やエフェクトがバンドルされているものが多く、「DAW・音楽制作ソフト」を買えばすぐに音楽製作が始められるというものも多い。
気をつけてほしいのは、一般的なソフトと同様にWindows用、Mac用、ハイブリッドタイプのものがあるということ。
また、利用出来る音源やプラグインエフェクトの規格もソフトによって異なってくるので、使用したい音源やプラグインエフェクトがある場合は注意が必要。
様々なブランドがDAW/音楽製作ソフトを販売しているので、どれを買っていいかわからない人は以下を参考にしてみてほしい。

DAW・音楽制作ソフトを選ぶときのポイント
代表的なDAW・音楽制作ソフト

5.音源


「サウンドハウス」ソフトウェア音源のページへ。

これもDTMをこれから始める人にとっては??な言葉なのではないだろうか?
場合によっては音源がいらない場合もあるのだが、一応今回は最低限必要なものの中に入れておいた。
というのも、例えばバンドのメンバーで各パートの演奏を録音したい、生ピアノをマイクで録音すれば自分の曲は完成だという場合には、この音源というものは必要ない。
つまり、曲の作成に「オーディオデータ」しか使わない場合。
その逆、いわゆる「MIDIによる打ち込み」で曲を作る場合に、この音源というものが必要になる。
MIDIで打ち込みをする場合、MIDIデータってものそのものには音はない。
例えるなら、MIDIデータってのはオルゴールのぐるぐる回ってるプチプチみたいなものだ。
音を出すためには、このプチプチにはじかれる小さい鍵盤が必要になる。
その小さい鍵盤の役割を果たすのが「音源」。
なので、MIDIで打ち込みをする予定の人は、この「音源」が無いと打ち込みをしても実際に音が出せないので注意
ギター、ピアノ、ドラム、ベース、シンセ、弦楽器、管楽器・・・・自分が出したい音の音源を用意しなければならない。
音源には、外付けタイプのハード音源と、パソコンにインストールして使うソフト音源がある。
昔はパソコンの性能が今ほど良くなかったので、外付けのハード音源が主流だったが、今はソフト音源が主流。
ハードの音源はほとんど見かけなくなった。
また、この音源にはVSTやAU等のいくつかの規格があり、使用する音楽制作ソフトによって使用できる規格が異なるので注意が必要。
詳細は以下を参照してみてほしい。

音源を選ぶときのポイント

以上の5つ!
この5つがあれば、とりあえずDTMは始められる。
5つ全てをガバっと買い揃えられれば一番いいが、予算が限られている場合は優先順位を付けて徐々に揃えていけばいいと思う。
パソコンはスペックに問題がなければ家にあるものでも問題ないし、モニタもミキシングは簡易的にしかやらないとか、出音にそこまでこだわりがないのであれば、最初は家にあるパソコン用のスピーカーを使っても問題ない。
また、最近は「オーディオインターフェース」に「DAW・音楽制作ソフト」がバンドルされていたり、「DAW・音楽制作ソフト」に「音源」が付属していたりもする。
こういったものを活用していけばかなり金額を抑えてDTMを始めることができるので、自分のお財布と相談しながら自分がこだわるところにお金をかけることをオススメする。

次ページでは、無くてもDTMはできるがあると便利な機材を紹介してみたいと思う。
予算に余裕がある場合は検討してみては?