超初心者のための打ち込み講座②【ピアノロールで打ち込みしてみる2/3】

3.ピアノロールの仕組みを理解する。

さてさて。
音楽の世界での「一拍」と「テンポ」についての意味を理解していただいたところで、本題のピアノロールの話に入っていこうと思う。
ここではAppleのLogic Proを使って説明させてもらうが、ピアノロールと呼ばれる入力方法はどのDAWでも仕組みは一緒なので、CubaseでもPro ToolsでもSonar等のソフトでも同じ原理で使うことが出来るのでご安心を。
各ソフトでのピアノロールの出し方は各マニュアルを参照するかGoogle大先生に聞いてみてほしい。

ここからはMIDIトラック(Instrumentsトラック)に音源が割り当てられていることを前提に話を進めさせてもらう。
左側にピアノの鍵盤みたいなものがあって、各鍵盤に指定した音源の該当する音が割り当てられている。
ちなみに、ほとんどのDAWの場合、鍵盤をクリックすると割り当てられた音が視聴出来るようになっている。
そして、各鍵盤から右側に各鍵盤を区切る線が横にびよーんと伸びている。
さらに、縦の線が均等に引かれていて、ブロックが敷き詰められているような見た目になっているのがわかると思う。
この縦の線は時間の経過を表していて、再生すると左から右に曲が進行していくという仕組み。

ちなみに、再生中は下の写真のようなバーが左から右にリアルタイムで動いていくので、今どこを再生しているかが一発で解るようになっている。

ピアノロールでは、この鍵盤から伸びている横線と時間の経過を表す縦線で構成されるブロックにノート(いわゆる音符)を入力して曲を組み立てていく。
つまり、左から右に移動していく時間の流れの中で、どのタイミングで、どの音を、どれだけの長さで鳴らすかを入力していくといった仕組みだ。

「いやいや、そんな説明されても具体的にどこにどの音をどうやって入力すればオレの思いついたミリオンヒット確実のメロディになるのかがいまいち良くわかんねーよ!」

と思う人もいるかと思う。
そんな方の為にもう少し詳しくピアノロールの仕組みを見ていく。
音楽経験のない人には少しややこしい内容になってくるが、音楽理論的な話は可能な限り最低限で抑えていくつもりなので頑張ってついてきてほしい。
さて、ポイントとなるのはピアノロールの縦の線。
この縦の線をよくよく見てみると、縦の線の上には何やら数字が書いてあるところがある。
で、その数字が2や3のように整数になっているところの縦の線は、周りの線よりちょっと目立つ太さになってる。

「上に数字が書いてあるってことは1秒単位で区切られてるんだな!?」

と思った方もいると思うが・・・不正解だ。
じゃあ一体何の区切りだろうか?
・・・ま、とりあえずあんまり深く考えないで・・・曲のちょうどいい一区切りだと思ってほしい。
「なんじゃそりゃ!?」
「何をもってそこがちょうどいいって言ってんだよ!?」
「上の数字は何なんだ!」
「てか、この一区切りは何秒なんだよ!」
まあ、いろいろ言いたいことはあるだろうが後に全て解決するので、ひとまずは「ちょうどいい一区切り」ということで理解していただきたい。
で、音楽の世界では、このちょうどいい一区切りからちょうどいい一区切りまでで構成されるひとつのまとまりを「小節」と呼ぶ。

曲の中では左から順番に1小節目、2小節目、3小節目・・・という呼び方をする。

線の上に書いてある数字は、「今何小節目か」を表している。
つまり、曲というものはこの小節というまとまりがいくつもくっついて構成されているわけだ。
「あの曲の○小節目がかっこいいよね」とか、「よし、じゃ◯小節目から練習もう一回やろうぜ」とか、そんな使われ方をする。

で、ここからが重要
1小節の中を見てみると「細い線」でさらに4つのブロックに区切られているのがわかると思う。
お使いのDAWの設定によっては、下の写真のようにそのブロックの中が「さらに細い線」が引かれている場合もあるが、今はその存在は忘れてしまってほしい。

この「細い線」で区切られた1ブロックが、前回出てきた「一拍」になっている。
ということは、1小節が1、2、3、4の4拍で構成されているということになる。

そのあとも「1・2・3・4」「1・2・3・4」と4拍をひとまとまりとしたリズムが続いていく。

前回説明したように、一拍の長さというものは曲のテンポ(bpm)で決まる。
ということは、1小節の長さも曲のテンポによって決まるということになる。
bpmが120であれば、一拍は0.5秒。
一小節は4拍で構成されているので0.5秒×4拍=2.0秒。
bpmが180であれば、一拍は約0.33秒。
一小節は4拍で構成されているので0.33秒×4拍=1.32秒。
ということになる。
ではここで、この「1・2・3・4」のリズムをメトロノームで4小節分鳴らしたものを聞いてみる。
BPMは120に設定してある。
一区切りを感じやすいように「1・2・3・4」の1拍目だけ他の音よりも高い音にしてあるので、4拍でひとまとまりになっているということに意識して聴いてみてほしい。

4拍で1小節。
イメージできただろうか?
このように1小節が4拍に分けられている曲、逆に言うと4拍を1小節とした曲のことを4拍子の曲と言う。
この世の中には何千万という曲が存在すると思いますが、7~8割の曲が4拍子の曲だと思う。
ロック、ジャズ、POP、RB、ヒップホップなんかもこの4拍子の曲が多い。
エレクトロなんかのキックの4つ打ちもドンドンドンドンの4つで一区切り。
あれも4拍子。
そのくらい4拍で1小節とした4拍子の曲は世の中の音楽のスタンダードになっているということを覚えておきたい。
その証拠に、ピアノロールの初期設定で設定されている拍子も4拍を一区切りにした4拍子。
おそらくほとんどのDAWがまずピアノロール立ち上げたら1小節が4つに分かれているはず。
なので、初心者の方はまずは4拍子の曲を作ることをオススメする。
もちろん4拍子以外にも、ワルツなんかの「ズンチャッチャー・ズンンチャッチャー」のリズムでおなじみの3拍で1小節になっている3拍子の曲なんかがあるが、初心者の方は最初は4拍子の曲を作ってみるのがいいと思う。
ある程度慣れてきたらいろんな拍子の曲を作ってみればいい。