超初心者のための打ち込み講座①【ピアノロールで打ち込みしてみる1/3】

「DTMを始めてみたけど、まずもってピアノロールというものの仕組みがよくわからん!」

というDTM超初心者の方の為に、今回はピアノロールの仕組みと使い方を解説してみたいと思う。

いわゆるDAW/音楽制作ソフトには、打ち込みをするための機能がいくつか用意されていて、今回紹介するピアノロールの他にも、数値だけで打ち込む方法、譜面で打ち込む方法やステップシーケンスというものがあったりする。
クラブミュージックなどの一部のジャンルではステップシーケンスによる入力が主流だったりはするものの、わかりやすいインターフェースや操作性、譜面を読む知識がいらない等の理由から、ピアノロールは打ち込みのスタンダードになっている。
数年前から流行のボーカロイドもこのピアノロールでメロディを入力する仕組み。
ということで、DTM超初心者の方は特別理由がなければピアノロールを使った打ち込みを最初に覚えることをオススメする。

1.音楽の世界での「一拍」というものを知る。

ピアノロールの説明に入る前に、ちょっとだけ音楽理論的な話を。

音楽経験がない人でも、「一拍」という言葉を聞いたことはあると思う。

「聞いたことあるし、なんとなく意味もわかる。」

という方がほとんどだと思うが、最初に知っておいてほしいのは音楽の世界で使われる「一拍」と音楽の世界以外で使われる「一拍」の意味は似て非なるものであるということだ。
ピアノロールで打ち込みをする場合、この音楽の世界での「一拍」の意味をきちんと理解しておくことが重要。

おそらく音楽経験のない人にとっての「一拍」とは、

手をパンッと叩いた一発

というイメージだと思う。
はい、正解。
・・・が、音楽の世界で使われる「一拍」の意味としてはちょっと説明が足りないことになってしまう。
なぜか?
それは、音楽の世界では「一拍」という言葉は長さの単位として使われているからだ。
何の長さかといえば「時間」の長さなわけだが、それはとりあえず置いといて、もしも一拍が長さを表すものだとしたら、始まり終わりが存在しなければいけない。
さっきのイメージで言うと、「手をパンッと叩いた一発」は始まりになるわけだが・・・・終わりがどこなのかわかんないわけですわ。
終わりがどこなのかがはっきりしないと、長さの単位としては失格。
じゃ、一体どこが終わりなのか?
答えは、次の一発
つまり、音楽の世界での「一拍」とは、

手をパンッパンッと2回叩いた時の一回目のパンッと2回目のパンッの間の長さ

ということになる。

「・・・どっちでもいいじゃん。」と言いたくなると思うが、この違いが結構大事だったりするのでしっかりと理解しておきたい。

2.テンポ(bpm)というものを知る

さて、じゃあ具体的に一拍って何秒なのよ?ってことになってくると思うが、実はこの一拍、絶対的な長さが決まっていない
よく、
「一拍って何秒なの?」
という質問をいただいたりするが、一拍の長さというももはその曲によって変化する。
もとい、曲のテンポ(bpm)によって変化する。

テンポ(bpm)とは、

1分間に一拍を均等の長さで何個入れるか?

を数字で表したもの。
仮にbpmが120なら1分間に一拍が120個、bpmが180なら1分間に一拍が180個入ってるってことになる。
すなわち1分間(60秒)を一拍の数で均等に割ってやるということ。
すると「一拍」の長さが相対的に決まってくる。
bpmが120なら「60秒÷120」、bpmが180なら「60秒÷180」。
つまり、bpm:120の場合、一拍の長さは0.5秒、bpm180の場合、一拍の長さは0.33秒ということになる。
ちなみに、感の良い方はもう気づいていると思うが、bpm:60は1分間に一拍が60個。
そう。
bpm:60に設定した時の一拍はちょうど1.0秒になる。
つまり、bpm:60の曲の一拍は時計の秒針と同じスピードになる。
ご理解いただけただろうか?
で、DTMの場合、DAW/音楽ソフト側でこのbpmを設定してやることで、「一拍」の長さを決めてやることになる。


Logic Proの場合、インターフェース上部の「bpm」の数値を変更することで曲のテンポを設定する。

他のDAWでのテンポの変更の仕方は、マニュアルを参照するかGoogle先生に聞いてみてほしい。