さて、たまにはコンピュータ側の話を。
筆者のDTMメインマシンであるMacbook Pro(15-inch Late 2011)も早いもので購入から3年が過ぎた。
あれから3歳も歳をとったと思うとゾッとする。
・・・ま、それはさておき。
OSも10.7 Lionから、10.9 Mavericksまでアップデートしてきたが、最近かなり動作が遅くなってきている。
中でも我慢しがたいのが、起動時間である。
余裕で1~2分は画面を眺めている状態。
今年の2月にサブマシンとして購入したフラッシュストレージ搭載のMacbook Airと比べると数倍の時間がかかる。
Appleのサイトでは次期のMac OS X Yosemite のアナウンスも始まり、そろそろ買い替えの時期だろうか?
などと考えてはみたものの、3年ペースでメインマシンを買い替えられるほど筆者は裕福ではない。
で、冷静に考えてみる。
入れてあるアプリの数等を考慮したとしても、OSは同じ10.9 Mavericks、メモリも同じ8G、CPUもi7、世代の差はあれど、むしろクアッドコアを搭載しているMacbook Proのほうがスペックは上なはず。
上じゃないにしても、ここまでの差が出るほど下ではないはずだ。
じゃ、一体何が原因でこれだけの差が出ているのか?
答えは明白。
記憶装置の違いである。
筆者のMacbook ProはHDD、Macbook AirはSSDを搭載している。
これが決定的な違いである。
知らない方のために一応解説しておくが、SSDとは、Solid State Driveの略で、HDD(ハードディスクドライブ)と同じ記憶装置と呼ばれるコンピュータのデータ保管庫的な役割を担うパーツである。
HDDに比べて非常に高速なデータの書き込み/読み込みが可能で、HDDに変わる記憶装置として数年前から徐々に普及率を高めてきている。
一昔前は、HDDに比べて非常に高額で、7~8年前に筆者が購入した時は、64Gで5万円ほどだったが、徐々に価格が落ち着いてきて、2~3年前からMacでも標準でSSDが搭載出来るようになってきた。
Macを購入するときに選択できる「フラッシュストレージ」というのがそれである。
HDDに比べるととにかく高速で、起動時間の短縮の他、記憶装置への書き込み/読み込みが必要になるすべての動作の向上が見込める。
DTM用途でのメリットは、何と言っても膨大なサンプルを読み込む必要のある音源を立ち上げるスピードの向上だろう。
もちろん、複数の音源を使用しているプロジェクトを立ち上げる時間も短縮される。
また、書き込みの速度も高速なので、音源をインストールする時間もかなり短縮される。
そのほかにも、バウンスにかかる時間も短縮される等、いいことずくめである。
ということで、新しいマシンを買うことも出来ないし、OSもLate 2011にしばらくは対応してくれそうだし、(エ◯動画のせいで)HDDの容量も限界に近いし、思い切ってMacbook ProのHDDをSSDに交換することにした。
で、せっかくなのでHDDの時とSSDの時でどのくらいスピードが向上するかを比較してみることにした。
ベンチマーク云々は専門外(・・・というか出来ない)なので、秒数でどのくらい短縮されるかを計測するというアナログな方法で比較してみる。
で、今回用意したSSDがこちら。
トランセンド「Jetdrive 420 960G」
JetdriveシリーズはMac向けのSSD置換キットで、Macを開けるための工具やケーブル等、交換に必要なものがすべて含まれているパッケージ。
筆者のように、コンピュータにそんなに詳しいわけではない人間にとっては非常にありがたい製品である。
また、スタイリッシュなUSB3.0接続の外付けストレージケースも付属しているので、SSDへの交換後はケースにMacに付いていたHDD(SSD)を入れることで、USB3.0対応の外付けドライブとして使用することも出来る。
容量は思い切って1T。
今載せているHDDが750Gだが、数々の音源をインストールし続けたおかげで(・・・とエ◯動画のせいで)結構いっぱいいっぱいだったので、今後のことを考えて思い切った。
他のブランドのSSDでもう少し安いものもあったのだが、
「とにかく簡単に交換出来た!」
「こんなに簡単なの!?」
というレビューも多く、必要なものは全部パッケージされているということで、なんとなくハードにそんなに詳しくない筆者でも自分で交換出来るそうな気がしたのでこいつをチョイスした。
また、こういうパーツってどうしても相性の問題がつきまとうイメージがあるが、メーカー側もMac向けということでリリースしている製品なので安心して購入出来た。
この辺はMacの利点だろう。
モデルが限られているのでメーカー側も動作確認がしやすい。
早速換装をしてみる。
まずはMacのHDDの情報をSSDにコピー
手順は超簡単だった。
簡単だったが思った以上に時間が・・・。
およそ650Gのデータを書き込むのにおよそ12時間。
寝て起きたらまだ終わっていなかった時は衝撃を受けた。
これは筆者のMacbook ProがUSB3.0に対応していなかったことが原因だろう。
USB2.0の転送速度は480Mbps、USB3.0は5Gbps。
その差は10倍以上。
おそらくUSB3.0に対応しているMacであればギュッと時間は短縮されると思う。
Jetdriveがthunderboltに対応していなかったのが残念である。
で、仕事が終わって家に帰るとコピーは無事終了していた。
この際、クリーンインストールするということも考えたのだが、膨大な音源ライブラリをまた入れ直すことを想像したら気分が悪くなってきたので今回は丸ごとコピーした。
内蔵HDDとSSDの交換。
ドライバーが付いてるのはうれしい。
余計な心配がいらない。
出会って3年目にして初めてMacの蓋をあけた。
交換自体はいたって簡単。
ネジ外して付け替えればいいだけ。
おっさんにでも簡単に出来た。
蓋を閉めて換装終了。
Macの電源を入れれば換装前と全く同じ環境が復元されている。
こんなに簡単だとは思わなかった。
さて、ではいったいどのくらい動作が快適になったのかを見てみよう。
比較するのは、
1.起動時間
2.ELECTRI6ITYのライブラリを読み込む時間
・起動時間
換装前:58秒(その後30秒くらいはアプリがまともに立ち上がらない。)
換装後:39秒(その後すぐアプリが起動出来る。)
・ELECTRI6ITYのライブラリを読み込む時間
換装前:1分16秒
換装後:17秒
・・・思ったほど起動時間は短縮されなかった。
よくよく調べてみたら起動時間はそんなに短縮されないらしい。
ここを一番なんとかしたかったのだが、そこをなんとかしたいならクリーンインストールしかないようだ。
時間がある時にでもやってみることにする。
しかし、起動してからの動作についてはすべての動作が驚くほど快適になった。
アプリも起動後すぐ立ち上げることが出来る。
もちろんLogicもサクっと立ち上がる。
また、ELECTRI6ITYのライブラリを読み込む時間に関してはなんと、1分も短縮。
これは素晴らしい。
間違いなくDTMでの作業効率も格段に向上する。
これでしばらくこのMacとDTMを楽しめる。
皆さんも是非お試しあれ。
ホント感動モノです。
トランセンド「Jetdrive 420 960G」