ピアノロールで打ち込みをしてみる(第3回)

4.ピアノロールで様々なフレーズを打ち込んでみる

さて、ここからは実際にピアノロールにいろんなフレーズを入力していって見ようと思いますが、音楽経験のない方はいまだにどこにどの音をどうやって入力したらいいのかはわからないままだですよね?
ここからは、

どこに」、「どの音を」、「どうやって

をさらに詳しく説明していきます。

順序は変わりますが、まずは「どうやって」からいきましょう。
どうやってっ言ってもMIDIキーボードがない限り、パソコンにはキーボードかマウスしかないですよね?
なので、マウスをクリックしたりドラッグしたりしてピアノロールを編集することになります。
「これだけは使えるようにしておきたい。」という編集ツールは全部で3つ。

・選択ツール
 入力したノートを選択したいときに使うツール。
 選択した後にドラッグでノートの移動やノートの長さの変更ができる。
 ポインタツール、ポイントツールなんても呼ばれます。
 大抵こんなアイコン。

・鉛筆ツール
 ノートを入力するためのツール。
 ペンシルツールとかペンツールなんても呼ばれます。
 大抵こんなアイコン。

・消しゴムツール
 入力したノートを消すためのツール。
 削除ツールなんても呼ばれます。
 大抵こんなアイコン。

この3つのツールを使えば、ピアノロールにノートを入力したり、削除したり、選択して移動させたりすることが出来ます。
イラストを書くソフトを使った経験のある方は、ほぼほぼ一緒だと思ってもらって大丈夫です。
ぶっちゃけこれは、各ソフトによって左クリックが「鉛筆ツール」だったり「選択ツール」だったりと、使い方が結構違ったりするので、各ソフトのマニュアルを参照して上の3つのツールを使えるようにしときましょう。
ちなみにLogicの場合は、自分で左クリック、右クリックに割り当てるツールを設定できます。自分の場合は、デフォルトだったと思いますが、左クリックで選択、command + 左クリックで鉛筆、右クリックで消しゴムにしています。

次に、「どの音を」です。
これについては、絶対音感を持っている方は何にも心配いりませんよね?
鳴らしたい音もすぐにわかるでしょうからここは流してください。
相対音感なら持ってるという方については、とりあえずどこかの鍵盤をクリックしてみて、その音より高い音を出したいのか、低い音を出したいのかを探って自分の鳴らしたい音を見つけていくという方法になるでしょう。
カラオケで音程を外さずに歌える方は相対音感は持ってるとも言えると思います。
慣れるまで時間はかかってしまうかもしれませんが、じっくり探っていけば自分の鳴らしたい音に辿りつけるはずです。
問題は、全くもって音感がない人ですね。
・・・まずはドラム等の音程のない楽器の打ち込みにチャレンジすることをオススメします。
キック、スネア、シンバル等の音の違いがわかれば打ち込みは出来るので。
正直、音感がまるでない人がいきなり音程のある楽器の打ち込みをするのはかなりハードルが高いと思います。
音感というやつは数日〜数ヶ月トレーニングをすれば身に付くものでもないです。
長い年月のなかで確立される感覚ですので、
「今から数年かけて音感を鍛えるのはちょっと・・・」という方は、打ち込みの他にもDTMで曲をつくる方法をオススメします。
ループ素材を組み合わせて曲を作ったり、いわゆるサンプラーでトラックメイキングをしたり。
今は選択肢もたくさんあるし、思い切ってそちらにシフトする方がDTMライフを楽しむことができると思います。
どうしても音程のある楽器の打ち込みをしたいというのであれば、とにかく鍵盤をクリックしてみてここかな?ってところを探っていくしかないですが、かなり大変な作業になることは覚悟しておく必要があると思います。

最後に、「どこに」です。
これはどのタイミングの場所にノートを入力してやるかですが、ポイントとなるのは前述の4拍子
基本的に、どんなフレーズの場合も「1・2・3・4」の4拍子のリズムに乗せてみて、どのブロックに入力をすればいいのかを探っていくことになります。
ま、実際に例を挙げて入力してみた方がわかりやすいと思うので、ここからは実際にピアノロールにいろんなフレーズを打ち込んでみましょう。

まずは「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を4拍子のリズムに乗せた次のようなフレーズを入力してみます。

すべての音が4拍子の1拍1拍と一緒のタイミングでなってますね?
なので、この場合は4拍子のリズムに合わせて入力してあげればOKです。
・・・ということは、細い線で区切られたブロックに「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」を順番に入力してあげればいいってことになりますね。
まずは、曲の最初にあたる一番左側の「ド」にあたブロックに鉛筆ツールでノートを入力します。

次に、ドのノートを入力した次のブロックに「レ」を入力します。

同じように「ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」と入力します。

ちょうど2小節になりましたね?
うまく入力出来ていれば、すべて同じ長さの音で「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」が鳴るはずです。

さて、次はこんなフレーズだった場合を考えてみましょう。

音楽経験のない方にとってはここからだんだん難しくなってくるかもしれませんが、ここは踏ん張りどころです。
慣れるまでは、メトロノームや手拍子に合わせてフレーズを口ずさんでみるのが一番わかりやすいと思います。
頭の中がぐちゃぐちゃになってしまったら・・・紙に書く!
これ、結構使えます。
慣れてくれば頭の中で整理できるようになってきますので、それまでの辛抱です。

1小節目については4拍子の「1・2・3・4」と同じリズムなので、細い線で区切られたブロックに順番に入力してあげればOKですね?
問題は2小節目。
この部分を「1・2・3・4」のリズムと合わせて聞いてみると、2小節目の細い線で区切られた1ブロック目と3ブロック目で音が始まってますね。
さらに音の長さは細い線で区切られたブロック2つ分の長さ、つまり2拍分になってます。
ですので、まずは2小節目の1ブロック目と3ブロック目に該当する音を入力してやります。

次に、このままでは入力したノートはブロック1つ分で音が鳴り終わってしまう状態なので、ノートの長さを細い線で区切られたブロック2つ分に伸ばしてやります。
こんなときは、入力したノートの右端を鉛筆ツール(ソフトによっては選択ツール)でドラッグして引っ張ってあげるとノートの長さを変えることが出来ます。

「ぴったり縦の線に長さを合わせるのって結構大変じゃない?」

と思った方もいると思いますが安心してください。
縦の線の近くまでノートをドラッグすると、自動で縦の線に「シュポッ!」っと吸い付いてくれます。
誰でも正確な長さのノートを入力出来るようになってるんですね。
ちなみにこの吸い付いてくれる機能は場合によっては邪魔になることもあるので、ON/OFFを切り替えられるようになってます。
初心者の方は特別理由がなければONにしたままで良いでしょう。
これで細い線で区切られたブロック2つ分、つまり2拍分の長さのノートの入力ができました。

また、同じタイミングで2つ以上の音を鳴らしたいときは、同じ縦のラインのブロックに複数のノートを入力してあげれば、複数の音を同時に鳴らすことができます。
例えば以下のような和音を鳴らす場合は、

同じ縦のラインのブロックにノートを入力、

これで複数の音を同時に鳴らすことができます。
あとは、さっきの例と同じようにノートの長さを伸ばしてやればOKです。

次に、こんなフレーズの場合を考えてみましょう。

手順は一緒です。
「1・2・3・4」のリズムと合わせてどのブロックにノートを入力すればいいかを考えていきます。
ポイントになるのは、1小節目の2拍目と4拍目、2小節目の2拍目ですね。
「1・2・3・4」1拍の中で音が2つ鳴ってることがわかると思います。
こんなとき、さっき存在を忘れておいてもらった「さらに細い線」が活躍するわけです。
今回の例のように、1拍の中に同じ長さの音が2つ鳴っている場合は、この「さらに細い線」を目安にして、均等の長さのノートを2つ入力してあげればいいというわけです。

「ちょっとまって!オレのピアノロールには1拍の中に『さらに細い線』なんてねーよ!?」

という方。
大丈夫です。
この線(正確には縦の線と横の線で出来る方眼のこと)は「グリッド」と呼ばれるもので、設定を変更することで1拍の中を何等分する線まで表示するかを変更することが出来ます。


Logicの場合、インターフェース上部の写真の赤マル部分の数字を変更することでグリッドの設定を変更出来る。

(注)数字は「1小節」をいくつに分けるかで設定します。1拍の中を4分割したいときは「16」を選択。

Logicを使っている方で、「あれ?オレのLogicとトランスポート部分の表示内容が違うな。」と思った方は、以下の記事を参考にしてください。

Logic Pro Xで縦の線の本数を変更する方法。

1拍を4等分する線まで表示されていれば、次のようなフレーズも同じ原理で入力出来ます。

同じように「1・2・3・4」のリズムと合わせて聴いてみると、1拍の中に4つ音が鳴っているところが出てきますね?
もうお解りですね?
以下のように、1拍を4等分する線を目安にして、均等な長さのノートを4つ入力してやるわけです。

さて、いかがでしたでしょうか。
どんなフレーズを入力するにしても、ポイントとなるのは4拍子のリズムにフーレズを乗せてみるということでしょう。
慣れるまでは大変かもしれませんが、この考え方がわかれば、大抵のフレーズは打ち込めるようになるはずです。