ピアノロールで打ち込みをしてみる(第1回)
「DTMを始めてみたけど、まずもってピアノロールというものの仕組みがよくわからん!」
というDTM超初心者の方の為にピアノロールの仕組みと打ち込みの仕方を紹介したいと思います。
いわゆるDAW/音楽制作ソフトには、打ち込みをするための機能がいくつか用意されていて、今回紹介するピアノロールの他にも、数値だけで打ち込む方法、譜面で打ち込む方法やステップシーケンスというものがあったりします。
その中でもピアノロールを使った打ち込みは、今一番スタンダードになっている打ち込みの方法です。
クラブ系の曲だといつの時代もステップシーケンスが人気だったりはするものの、リードとか上物になるとピアノロールを使う場合も多いし、流行のボーカロイドもこのピアノロールってものでメロディを入力する仕組みになってたりするので、DTM超初心者の方は特別理由がなければピアノロールを使った打ち込みを最初に覚えることをオススメします。
1.音楽の世界での「一拍」というものを知る。
ピアノロールの説明に入る前に、ちょっとだけ音楽理論的な話をさせてください。
音楽経験がない人でも、「一拍」という言葉を聞いたことありますよね?
「聞いたことあるし、なんとなく意味もわかる。」
という方がほとんどだと思います。
で、一つ知っておいてほしいのは音楽の世界で使われる「一拍」と音楽の世界以外で使われる「一拍」の意味は似て非なるものであるということです。
ピアノロールでの打ち込みをする場合、この音楽の世界での「一拍」の意味をきちんと知っておくことが重要です。
音楽経験のない人にとっての「一拍」は、
「手をパンッと叩いた一発」
というイメージだと思います。
はい、正解です。
・・・が、音楽の世界で使われる「一拍」の意味としてはちょっと説明が足りないことになっちゃうんです。
その理由は、音楽の世界で「一拍」という言葉が、長さの単位として使われているからなんです。
何の長さなのか?という話はとりあえずその辺に置いといて、長さを表すものだとしたら、始まりと終わりが存在するはずですよね?
さっきのイメージで言うと、「手をパンッと叩いた一発」は始まりになるわけですが・・・・終わりがどこなのかわかんないわけですよ。
終わりがどこなのかはっきりしないと、長さの単位としては失格なわけです。
じゃ、どこが「一拍」の終わりなのか?
答えは、次の一発になります。
つまり、音楽の世界での「一拍」とは、
「手をパンッパンッと2回叩いた時の一回目のパンッと2回目のパンッの間の長さ」
ということになるわけです。
・・・どっちでもいいじゃん。と思わず言いたくなると思いますが、この違いが結構大事だったりするので覚えておきましょう。
2.テンポ(bpm)というものを知る。
さて、じゃあ具体的に一拍って何秒なのよ?ってことになってくると思うんですが、実はこの一拍、絶対的な長さが決まっていません。
よく、
「一拍の長さを教えてほしい。」
といった質問をいただきますが、一拍の長さは曲によって変わります。
もとい、曲のテンポ(bpm)によって変わるんです。
そうなってくると、普段何気なく使っているテンポという言葉についてもちゃんとした意味も知っとかないといけないですね。
テンポ(bpm)とは、
「1分間に一拍を何個入れるか?」
を数字で表したものです。
bpm:120なら1分間に一拍が120個、bpm:180なら1分間に一拍が180個入ってるってことになります。
一分間をBPMの数字で均等に割ることになるわけですから、相対的に「一拍」の長さが決まってくるわけですね。
なので、bpm:120とbpm:180の一拍を秒数で比較してみると、bpm:120の一拍が0.5秒、bpm:180の一拍が0.33秒となり、bpm:120の方が一拍の長さが長いということになりますね。
ちなみに、頭の出来がよろしい方はもう気づいていると思いますが、bpm:60は1分間に一拍が60個。
そうです。
bpm:60に設定した時の一拍はちょうど1.0秒です。
つまり、bpm:60の曲は時計の秒針と同じスピードで曲が進行して行くことになるわけですね。
DTMの場合、DAW/音楽ソフト側でこのbpmを設定してやることで、「一拍」の長さを決めてやることになります。
Logicの場合、インターフェース上部の「bpm」の数値を変更することで、曲のテンポを設定する。