これさえ知ってりゃなんとかなる!プリセット派ユーザーのためのシンセサイザー講座【第3回】
よく使うエフェクト/テクニック
Detune(デチューン)
VCOセクションでも説明したが、改めて紹介しておく。
デチューンとは、2つの音程の同じ音の片方を微妙にチューニングをずらすことでコーラスのような音の広がりを得る方法のことである。
この手法はトランスリード等でよく使われた手法だが、その他のジャンルでも使うことが多いので覚えておくと何かと便利である。
Detune OFF
Detune ON
Noise Makerの場合、OSCセクションのFINEでピッチの微調整が可能。
Massiveの場合は、各OSCのピッチを数字で設定する仕組み。
Detuneを狙いたい場合は、少数部分を微調整する。
Arpeggiator(アルペジエーター)
シンセサイザーと言えばアルペジエーターというイメージを持つユーザーも多いくらいメジャーなエフェクター。
自動でアルペジオを生成するエフェクターで、アルペジオとは、ギター等で用いられる奏法のひとつで和音を低い方または高い方から順番に弾く奏法のこと。
つまりアルペジエーターとは、ひとつの鍵盤を押さえただけで自動でアルペジオ演奏を行わせることが出来るエフェクターである。
ものすごく簡単に言ってしまえば、ひとつの鍵盤を押さえただけで様々なフレーズを奏でることが出来るエフェクター。
また、シンセサイザーにアルペジエーターが搭載されていなくても、DAWのピアノロール等で打ち込みをすればアルペジエーターと同じ効果が得られる。
以下にサンプルをアップしておくが、ポイントは一つの鍵盤を押しっぱなしにしただけでこのようなフレーズを奏でるという点だ。
ありがちなアルペジエーターによるリフの例
Massiveの場合、LFOで使用した5~8番のコントローラーがLFOとSteper(アルペジエーターとして使用)の兼用となっている。
OSCセクションのPitch下の四角スペースに5~8番のコントローラーをドラッグ、写真赤囲み部分でSteperを選択することでアルペジエーターと同じ機能が使用可能となる。
5~8のコントローラーをドラッグして、タブをLFOからSteperに変更。
また、Pitch下の四角にコントローラーを割り当てた際に、横に現れる数字はピッチを動かす範囲を設定するもの。
最大1オクターブ動かしたい場合は「12」に設定、最大2オクターブ動かしたい場合は「24」に設定する。
コントローラー部分の16のブロックがステップシーケンスと同じ役割を果たすので、各ブロックのバーを変更したいピッチに設定していく。
ちなみに、Altキーを押しながらドラッグすることで整数単位での移動が可能になる。
この他にも、Reverb(リバーブ)やDelay(ディレイ)等、音作りによく使われるエフェクトはあるのだが、それらは今後掲載予定の「初心者のためのエフェクト講座」の方で説明をしていくことにする。
まとめ
さて、3回に分けてアナログシンセサイザーの構造と代表的なパラメータを紹介してきたが、各セクションごとに見ていけば仕組みは意外と単純ということがわかったのではないだろうか?
しかし、仕組みは単純でもシンセサイザーを極めるのはかなり難しい。
この単純な仕組みの楽器からは数万、数十万通りの音色が生み出される。
うかつに首を突っ込みすぎると大火傷することもあることも覚えておいてほしい。
ただ、これくらいの知識があれば、
「ああっ!このプリセットの音をもう少しこうしたい!」
という悩みは解決出来る場合も多いはず。
それほどたくさんの機能を使いこなさなくてもちょっとした微調整が出来るようになるだけでも、DTMライフはかなり楽しくなるのではないだろうか?