これされ知ってりゃなんとかなる!プリセット派ユーザーのためのシンセサイザー講座【第1回】

アナログシンセサイザーの構造

さて、様々なパラメータが散らばっているアナログシンセサイザーだが、よくよく見てみるとこのパラメータはいくつかのセクションに分かれている。
正直、各シンセサイザーによってセクションの数は様々なのだが、どのシンセサイザーにも必ずあると言える3つのセクションが存在する。
それが、VCOVCFVCAと呼ばれるセクションである。
ここでは、アナログシンセではないのだがなんだかんだで所有しているユーザーが多そうなNative InstrumentsのMassiveをメインに、フリーシンセ代表としてTALのNoise Makerを例に説明させてもらう。
Noise MakerはVST、AUに対応するフリーの本格VAシンセプラグイン。
お手元にVAシンセが無い場合は、TALのWEBサイトでダウンロードすれば誰でも無料で使用できる。
それ以外のシンセを使用しているユーザーについても、冒頭にも書いた通りこの3つのセクションはどんなアナログシンセサイザーにもほぼ確実に搭載されているセクションなのでインターフェースを観察してみてほしい。
ただ、それぞれのセクションが丁寧にVCO、VCFという表記されている場合は稀で、VCOは「OSC」や「Oscillator」、VCFは「filter」、VCAは「Amp」「Amplifier」と表記されていることが多い。

Noise Maker、Massiveの場合、VCO、VCF、VCAはそれぞれ以下の図の場所になる。


Noise Makerのインターフェース。

Massiveのインターフェース。

この3つのセクションは、アナログシンセサイザーでの音作りのメインになるセクションで、

VCO→VCF→VCA

という順番で信号が通過していき、最終的に「音」として発音されるという仕組みである。

その他にもいくつかのセクションが存在するが、一旦存在を忘れてしまってほしい。

3つの各セクションの役割は以下の通りである。

VCO(オシレーター)

音の元となる波形を発信するセクション。
全てのセクションの一番最初にあたる音作りのスタート地点。


Noise MakerのVCO。

MassiveのVCO。

VCF(フィルター)

VCOから発信された波形を削る(加工する)セクション。
イコラーザーというエフェクターを使ったことのあるユーザーは、イコライザーと全く同じものだと思ってもらって差し支えない。


Noise MakerのVCF。

MassiveのVCF。

VCA(アンプ)

音量をコントロールするセクション。


Noise MakerのVCA。

MassiveのVCA。

思いっきり簡単に言えば、

VCOで音を出して→VCFで音を加工して→VCAで音の大きさを決める

シンセサイザーの音はこんな流れで作られている。
意外とシンプルな構造だと感じたのではないだろうか?
では、各セクションにはどんなパラメータがあってどんな効果が得られるのか?
次回は、各セクションの代表的なパラメータとその効果を紹介していく。