これされ知ってりゃなんとかなる!プリセット派ユーザーのためのシンセサイザー講座【第1回】

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昨今のEDMブームやソフトウェアシンセサイザーの普及により、シンセサイザーという楽器に触れるユーザーは以前よりも増加しているだろう。
しかし、ほとんどのユーザーがたくさんのツマミが並ぶインターフェースを見て、

「うわっ!無理無理!全くわからん!」

と思いツマミを弄るのをあきらめてしまっているのではないだろうか?

「使うのはプリセットだけ。ツマミのいじり方は一切わかりません。」

といういわゆる「プリセット派」のユーザーも多いはず。
そしてそんなユーザーのほとんどが、

「ん~このプリセットが求めている音に近い!近いけど・・・何か違う!違うけど・・・・どこいじっていいかが全くわからん!

というもどかしい思いをしているのではないだろうか?
今回はそんなユーザーの為に、「この音をもう少しこうしたい」といったちょっとしたニーズに対応するための最低限覚えておいた方がいいシンセサイザーの知識を紹介する。
最低限と言っても、基本的な仕組みと主要なパラメータはしっかり説明していくつもりなので、この記事を読み終わる頃にはプリセットの微調整にとどまらず、簡単な音色なら1から作り上げることもできるようになっているはずである。

シンセサイザーの種類

シンセサイザーと呼ばれる楽器には、技術的な構造や発音できる音の数等からいくつかの種類に分けられる。
実際にツマミを弄る前に、自分の持っているシンセサイザーがどんなシンセサイザーなのかを把握しておいたほうがいいだろう。

発音数による分類

世の中には様々なタイプのシンセサイザーが存在するが、まず全てのシンセサイザーが以下の2つに分類される。

モノフォニックシンセサイザー(Mono)

同時発音数が1つのみのシンセサイザー。
基本的に複数の音を同時に発音できない。

ポリフォニックシンセサイザー (Poly)

同時発音数が複数のシンセサイザー。
いわゆる和音も発音可能。

現在はソフトウェアシンセサイザーが主流で、ほとんどの機種がポリフォニックだが、ハードのアナログシンセなどを使用する場合は注意したい。

仕組み、構造による分類

もう一つの分類が音作りの仕組みや構造の違いによる分類である。

減算方式

元波形の倍音成分の一部をフィルターで削りとることで音色を作成する方式。
もっとも基本的な構造のシンセサイザー。
エレクトロや、ここ数年流行のEDM等でよく使われているアナログシンセサイザーVA(バーチャルアナログ)シンセサイザー等がこの方式に該当する。

加算方式

複数のサイン波を合成することで音色を作成する方式。
電子オルガン等がこの方式を採用した楽器。


加算方式ソフトシンセNative InstrumentsのRazor。
FM方式

波形発振器に周波数変調を加え、倍音成分に変化を与えることで音色を作成する方式。
この方式を採用したYAMAHA DX7は世界的に大ヒットした。
キラキラ、金属系の音が得意。


FMソフトシンセの代表格Native InstrumentsのFM8。
サンプル方式

PCMシンセとも呼ばれる。
あらかじめサンプリングされた波形を発音し、その波形に様々な加工をすることで音色を作成する方式。
いわゆるサンプラーもこの方式の音源の一種と言える。
あらかじめサンプリングした波形を使用するので、上記の方式では再現が難しい生楽器の音も簡単に発音できる。


サンプル方式ソフトシンセreFXのNexus2。

重要なのは、どの方式が1番良いということではなく、それぞれ向き不向きとするものが異なるので目的に合ったシンセサイザーをチョイスするということだろう。
リアルな生ドラムの音が出したいのに減算方式のシンセを用意してもサンプル方式には敵わないわけである。
最近は複数の方式を採用したハイブリッドなシンセサイザーも販売されたりもしているが、実験的、偶発的に音色を製作する場合を除いては、これからいじろうとしているシンセサイザーが、そもそも自分の出したい音を作るのに適しているのか適していないのかを知っておくことをオススメする。

ここからは、もっとも基本的な構造で他の方式にも応用が効きやすい減算方式のシンセサイザー(アナログシンセサイザー)について説明していく。

アナログシンセサイザーの構造

さて、様々なパラメータが散らばっているアナログシンセサイザーだが、よくよく見てみるとこのパラメータはいくつかのセクションに分かれている。
正直、各シンセサイザーによってセクションの数は様々なのだが、どのシンセサイザーにも必ずあると言える3つのセクションが存在する。
それが、VCOVCFVCAと呼ばれるセクションである。
ここでは、アナログシンセではないのだがなんだかんだで所有しているユーザーが多そうなNative InstrumentsのMassiveをメインに、フリーシンセ代表としてTALのNoise Makerを例に説明させてもらう。
Noise MakerはVST、AUに対応するフリーの本格VAシンセプラグイン。
お手元にVAシンセが無い場合は、TALのWEBサイトでダウンロードすれば誰でも無料で使用できる。
それ以外のシンセを使用しているユーザーについても、冒頭にも書いた通りこの3つのセクションはどんなアナログシンセサイザーにもほぼ確実に搭載されているセクションなのでインターフェースを観察してみてほしい。
ただ、それぞれのセクションが丁寧にVCO、VCFという表記されている場合は稀で、VCOは「OSC」や「Oscillator」、VCFは「filter」、VCAは「Amp」「Amplifier」と表記されていることが多い。

Noise Maker、Massiveの場合、VCO、VCF、VCAはそれぞれ以下の図の場所になる。


Noise Makerのインターフェース。

Massiveのインターフェース。

この3つのセクションは、アナログシンセサイザーでの音作りのメインになるセクションで、

VCO→VCF→VCA

という順番で信号が通過していき、最終的に「音」として発音されるという仕組みである。

その他にもいくつかのセクションが存在するが、一旦存在を忘れてしまってほしい。

3つの各セクションの役割は以下の通りである。

VCO(オシレーター)

音の元となる波形を発信するセクション。
全てのセクションの一番最初にあたる音作りのスタート地点。


Noise MakerのVCO。

MassiveのVCO。

VCF(フィルター)

VCOから発信された波形を削る(加工する)セクション。
イコラーザーというエフェクターを使ったことのあるユーザーは、イコライザーと全く同じものだと思ってもらって差し支えない。


Noise MakerのVCF。

MassiveのVCF。

VCA(アンプ)

音量をコントロールするセクション。


Noise MakerのVCA。

MassiveのVCA。

思いっきり簡単に言えば、

VCOで音を出して→VCFで音を加工して→VCAで音の大きさを決める

シンセサイザーの音はこんな流れで作られている。
意外とシンプルな構造だと感じたのではないだろうか?
では、各セクションにはどんなパラメータがあってどんな効果が得られるのか?
次回は、各セクションの代表的なパラメータとその効果を紹介していく。

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