DAW・音楽制作ソフトを選ぶときのポイント

DAW・音楽制作ソフトを選ぶときのポイント

パソコンの対応状況

DAW・音楽制作ソフトも、他の一般的なパソコンソフトと同様にWin専用のもの、Mac専用のもの、またはその両方に対応しているものがある。
自分の環境に合わせたソフトをチョイスするべし。
代表的なものとしては、

Win/Mac両対応

・Pro Tools
・Cubase
・Digital Performer
・Studio One

Win専用

・Cakewalk(旧SONAR)

Mac専用

・Logic

などがある。

価格

DAW・音楽制作ソフトは、無料で使えるものから数万円のものまで様々。
各DAW・音楽製作ソフトのフラッグシップモデルは大体5~6万円くらいに設定されている場合が多い。
しかし、実はそれらの機能にはそんなに大きな差はなかったりする。
いや、あるにはあるが、人によってはそんなに気にする必要がないところだったりするのだ。
同じシリーズの一番高いモデルと安いモデルで再生される音質が変わるということはないし、機能に若干差があったとしても人によっては「本当にこの機能必要なの?」という機能だったりする。
ぶっちゃけDAW・音楽製作ソフトの機能は数年前から飽和状態だ。
バージョンアップの度に無けりゃ無いでなんとかなるような機能がポコポコ追加されているような状態がここ数年続いている。
おそらくほとんどの人は無料のものでも問題なくDTMが出来てしまうと思う。
使用できる音源の数やトラック数に制限があったりはするが、業界標準のDAWであるProtoolsの無料版Protools Firstは最大で16のオーディオトラックと16のMIDIトラック、実質無料で提供されているSteinbergのCubase AIなんて最大32のオーディオトラックと48のMIDI トラックを使用することができる。
またWin専用にはなるが、話題の「Cakewalk」に至ってはオーディオ、MIDIトラックともに無制限だ。


実質無料で手に入れることができるSteinbergのCubase AI

まあ、よほど凝った編成の楽曲を作らない限り、32トラックもあればおなかいっぱいだ。
では、数万円のDAW・音楽製作ソフトは無料版のそれと一体何が違うのか?
ひとつ目は使用できるトラックの数。
各ブランドのDAW・音楽製作ソフトのフラッグシップモデルは基本的にトラック数は無制限。
マシンの処理能力の範囲内であれば100トラックの曲も作れる。
中にはCakewalkやStudio One Primeのようにトラック数が無制限の無料DAWも存在するが、大抵の場合使用できるトラックの数に制限がある場合が多い。
ふたつ目はサポート体制。
無料版のDAW・音楽製作ソフトは基本的にメーカーによるサポートが存在しない。
つまりどんなトラブルが起きようと自分でなんとかするしかない。
また、いきなりそのサービスが停止したり、アップデートが止まる可能性もある。
みっつ目はサードパーティ(他社)製のプラグインを使用できるかどうか。
有料版のDAW・音楽製作ソフトってのは、エフェクトや音源を後から購入して追加することができる。
しかし、無料版の場合この機能が制限されてしまっているものも多い。
しかし、この3つはそんなに大きな問題ではない。
前述のとおり、一般的なDTMerであれば32トラックもあれば問題ないだろうし、このご時世Google様がいればほとんどのトラブルは解決する。
それに有料版を買ったとしても、発生したトラブルをメーカーや代理店が100%解決してくれるわけでもない(←これホント)
サービスが止まったら・・・別の無料DAWを使えばいい。
サードパーティ製のプラグインが使いたいならCakewalkかCubase AI(LE)を使えばいい。
じゃ、有料版を買うメリットって何なのさ?って話しだ。
答えは次に説明する付属するプラグインエフェクトや音源の数と質にある。

3.付属するプラグインエフェクト、音源

前述のとおり、最近のDAW・音楽制作ソフトは非常に高機能で、機能自体はほぼほぼ飽和状態にある。
そこで各社、付属するプラグインに力を入れて差別化を図ろうという状態が続いている。
おかげで付属するプラグインの質と量といったら、一昔前のそれとは比べものにならないくらい向上している。
つまり、悪い言い方をすれば抱き合わせで価格を吊り上げているような状態だ。
なので、あるブランドのフラッグシップモデルを買ったからといってDAWとしての機能が著しく高いということはないし、逆に一番安いモデルを買ったからといって著しく機能が低いということはない。
ほとんどの人にとって、変わるのはプラグインの量と質だと思ってもらってもかまわないくらいなのだ。
付属物のイメージとしては、

無料~ローエンドモデル

ちょっとしたマルチ音源といくつかの基本エフェクトが付属。

ミドルエンドモデル

それなりのマルチ音源と専用音源が付属。ローエンドモデルに比べてエフェクトの種類が豊富。
ミキシングまで可能。

フラッグシップモデル

ミドルエンドモデルよりも質の良い音源やエフェクトが多数付属。
ミキシング、マスタリングまで可能。

といった感じ。
フラッグシップモデルを購入すれば、とりあえずマスタリングまで出来る環境が整ってしまうわけだ。
しかし、付属するプラグインエフェクトや音源が、万人が満足出来るものかというとそうではないと思っておいた方がいい。
昔に比べて質は確かに向上してはいるが、単品で売っているプラグインエフェクトや特定の楽器に特化した音源等の中には、さらに質のいいものが多数存在する。
作りたい曲のジャンルによっては、DAW・音楽製作ソフトは無料のものを使って、浮いた金で単品の音源やエフェクトを買った方が曲のクオリティが高くなったりするので気をつけてほしい。
個人的には、フラッグシップモデルを購入するほど気合いを入れてDTMをやるなら、DAW・音楽製作ソフトにはあまり金をかけずに自分の気に入ったプラグインエフェクトや音源を購入することをオススメする。

4.利用できるプラグインの規格

各ブランドのDAW・音楽製作ソフトは、そのDAWで使用できるプラグインの規格が決まっている。
DTMにおけるところのプラグインとは、曲を組み立てる音楽制作ソフトそのものの機能の他に、後から追加できる音源やエフェクトのことを指す。
代表的なDAW・音楽製作ソフトの対応しているプラグインの規格は、

・Protools : AAX、RTAS(Ver.10以前)
・Cubase : VST
・Digital Performer : VST、AU(Macのみ)、MAS
・Studio One : VST
・Logic : AU(Audio Units)

といった感じ。
もしも使いたい音源があるという場合は、その音源が対応している規格に対応するDAW・音楽製作ソフトを準備する必要がある。
ちなみに、現在DTMで一番普及しているであろうプラグインの規格は「VST」。
業務用での話で言えばPro Toolsの採用している「AXX」、「RTAS」。
AUはMac専用の規格なので、他に比べると普及率は低い。
いずれしても、有料のプラグインはほとんど「VST」、「AAX」、「RTAS」、「AU」に対応しているので、どのソフトを購入してもそんなに困ることはないとは思う。
ただし「VST」については、ネット上などで配布されている無料の音源やエフェクトの数がベラボーに多い。
そういった音源をフルに活用したいという人は、「VST」が使用できるソフトを選ぶべきだろう。
Protoolsは絶対避けたほうがいい。

5.使いやすさ

正直、使いやすさについては人それぞれ。
筆者自身、「Pro Tools」、「Cubase」、「Logic」を所有しているが、結局のところ全てが完璧と感じるものはない。
それぞれが得意とするところがあったり、「この作業はこっちのほうがやりやすいな」と感じるところがある。
ただ、結局のところ「使いこんだソフト」が一番使いやすくなる。
どのソフトを購入したとしても操作に慣れるまでにはそれなりの時間がかかる。
機能面では大きな差はないので、ここはそんなに悩む必要はないと思う。
強いて言えば、AppleのLogicは初心者でもわかりやすくて使いやすいだろうな~とは思う。
インターフェースがやさしい。
また、「Pro Tools」については、音楽業界標準のDAWとなっていて、世の中にあるほぼ全てのレコーディングスタジオに導入されている。
将来、エンジニアの仕事がしたいという野望を持っているような人はPro Toolsの使い方に慣れておくことをオススメする。
それから、初音ミク等のVOCALOIDをガンガン使用する予定の方は「VOCALOID Editor」というものを使用出来るという点ではCubaseが便利と言える。
DAW内でボカロの編集ができるのは非常に作業効率が向上する。

6.無料で使えるDAW・音楽制作ソフトを活用する。

一昔前は10万円近かったDAW・音楽制作ソフトも、今は無料で手に入れることが出来る。
「DAW・音楽制作ソフト自体にはあまりお金をかけたくない」という人は、まずは無料のものを試してみるのが一番だろう。
浮いた予算でかなり優秀なプラグインを手に入れることも出来る。
どうしても機能面に納得がいかなければ有料版を検討すればいいだけの話だ。
また、Macユーザーの人は、Macを購入すると標準で付いてくる「GarageBand」を使ってみることをオススメする。
少しクセの強い使いDAWではあるが、基本的なことはほとんど出来るし、「Audio Units」という規格のサードパーティー製の音源やエフェクトを追加することもできるので、非常にクオリティの高い作品を作ることも可能だ。


Macに標準でインストールされているGarageBand

Winユーザーの人はGarageBandは使えないが、最近はオーディオインターフェースやMIDIキーボードなどを購入すると有名なDAW・音楽制作ソフトの機能限定版がバンドルされているものが多い。
機能限定版といってもかなり優秀なDAWなので、まずはそういったものを試してみるといいと思う。
対応する規格のサードパーティー製の音源やエフェクトを追加できるものもあるので、非常にクオリティの高い作品を作ることも可能だ。
以下に、代表的な機能限定版DAW・音楽制作ソフトと、それらが付属するオーディオインターフェースを紹介しておくので参考にしてみてほしい。

代表的なDAW・音楽制作ソフト
無料で使えるDAW・音楽制作ソフト