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超初心者のためのミキシング講座/コンプレッサー編⑦【サイドチェイン】

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思ったようなノリが得られない場合の対処法

「簡単、簡単」と言われているダッキングだが、自分の求めるノリを出すためには結構試行錯誤が必要。
ということで、ここからは思ったようなノリが得られない場合の対処法をいくつか紹介してみる。

リリース・タイムを早くしても圧縮解除のタイミングが遅い

トリガーにしているキックの波形を見直す

ダッキングをするときに実は意外とキモになるのが、トリガーにしているキックの波形の形。
楽曲で使用しているキックの波形をそのままトリガーにして何の問題も起きない時はそれでいいのだが、こいつが原因でグルーブコントロールがうまくいかなくなる場合がある。
というのも、楽曲で使用しているキックの波形は、意図的に低域が増強されていたり、コンプやリミッターでぶっ潰されていたりで最終的に以下のような仕上がりになっている場合がある。

ぶっちゃけこれはまだマシなほうだが、こいつをトリガーにスレッショルドを下げていく場合を考えてみてほしい。

そう、こうなる。
ある程度スレッショルドを下げると、結構な時間圧縮が続く作りになってしまっていることがわかると思う。
例えばキックのウラ(8分)で圧縮を解除したい場合、以下の図のオレンジのラインまでには圧縮を解除しなければならない。

・・・既にギリギリ。
これではリリース・タイムもクソもない。
「なんかリリース・タイム最速にしても8分で返せねえんだけど・・・」という状態に陥った人は、自分の使っているキックが最終的にどんな波形になっているかを確認していてほしい。

では、楽曲で使用しているキックがそんな極太キックだった場合はどうしたらいいのか?
いくつか対処法があるので紹介する。

①EQでキックの波形を加工する

1つ目はEQでキックの波形を加工するという方法。
当然キックのトラックにそのままEQを挿してしまうと音色が変化してしまうので、センドで送ってBusに挿すか、ゴーストキックトラックを作成してキックの波形をコピーした後、そいつにEQを指す。
したらば、ハイパスで低域(~100Hz以下程度)を削ってやる。

キックは低域を多く含むパートなので、低域をハイパスでカットしてやるだけで波形をスマートに加工することができる。
例えば先ほどの波形。

こいつの100Hz以下をハイパスでカットしてやるとこうなる。

こいつをトリガーにスレッショルドを下げていけば・・・、

こんな感じで圧縮解除のタイミングを早めることができる。
ちなみにハイパス以外のカーブでEQ処理してもまた違った結果が得られるのでいろいろ試してみると面白い。
また、中にはサイドチェイン用にハイパスやローパスなどのフィルターが搭載されたコンプレッサーも存在する。

②トリガー用に別の波形を用意する

2つ目はゴーストキックトラックを作成して、思い切って楽曲で実際に使用しているキックとは別の波形を貼りつけてしまうという方法。
ゴーストキックトラックを作成してトリガーにする場合、実際に音は出さないので貼り付ける波形は楽曲で実際に使用しているキックの波形でなくても構わない。
だったらあらかじめトリガーとして使いやすい波形を貼ってしまえばいいってわけだ。
自分の扱いやすい波形を見つけておくと何かと楽なのでいろいろ試してみてほしい。
808系のキックなんかも意外と扱いやすい。

いずれの方法を使ってもコンプで圧縮される時間を短くすることができるので、リリース・タイムで圧縮解除のタイミングをうまくコントロールできるようになる。
これが筆者がゴーストキックトラックをトリガーにしている理由。

圧縮を緩やかにor急激に解除したい

これについても原因は前項と同じくトリガーにしている波形の形。
緩やかに解除したい場合はリリース・タイムを遅め、急激に解除したい場合は速めに設定してやればいいのだが、トリガーにしている波形の形によってはそれが不可能な状態に陥る。
そんな時は、狙っている圧縮量を稼いだ段階で、緩やかに解除したい場合であれば16分前後、急激に解除したい場合は8分手前あたりでスレッショルドを下回るような波形を試してみるといい。
自分好みのトリガーを見つけるまでは結構大変だが、いろいろと試してみることをオススメする。
また、それがめんどくさいという人は、前項のようにBusもしくはゴーストトラックにEQを挿してハイパスでカットし始める周波数を前後させるだけでもスレッショルドを下回るタイミングをコントロールできるので試してみてほしい。
またまた、コンプレッサーのモデルによってもリリース・タイムのカーブが全然変わってくるので、複数のコンプを所有している人は試してみるといい。

アタック・タイムを最速にしてもド頭がうまく潰れない

楽曲で使用しているキックをトリガーにしてダッキングをする場合、対象トラックの音をド頭部分からベタッっと潰すのはなかなか難しい。
というのも一般的なキックの波形をトリガーにして一般的なコンプレッサーを使用した場合、たとえアタック・タイムを最速にしても多少潰しきれない部分ができる。(理由は前回までの講座を参照)
波形先読み機能を持ったコンプを使用すればかなりベタッと潰せるが、手っ取り早くド頭を潰したいならゴーストキックトラックを作成して波形をコピーした後、その波形をほんの少し前のめりにずらしてやればいい
キックのアタック部分が前にずれるので、より速いタイミングで圧縮可能となる。
ただし、ずらしすぎると反対にケツが食われてしまうのでやり過ぎには注意。

・・・なんか違う

全体を軽くダッキングする

特定のトラック(Busチャンネル)のみでダッキングをした場合、何とな~く楽曲全体のまとまりがないと感じる場合がある。
そんな時は、キックを含むリズムトラック以外を1つのBusにまとめてバレない程度にダッキングをしてやるとまとまりが出るので試してみてほしい。

楽曲で使用しているキック側を見直す

なんか違う理由は楽曲で使用しているキック側にあったりもする。
例えば何らかの方法で低域を増強している場合。
コンプなどで適度に余韻を締めておかないと妙なモタツキの原因になったりもするので注意。
また、EDMなどの場合はやはりコンプやリミッターで強めに潰したキックの方がウワモノを潰すような感じが出る。
そして、意外と見落としがちになるのがレベルバランス。
経験上、レベルフェーダーをチョイチョイするだけでしっくりする場合も多い。
コンプの設定に集中しすぎて基本となるレベルバランスの調整を忘れないようにしたい。

モニタの音量を変えながら調整する

これはダッキングに限った話ではないが、ミックスをするときはモニタの音量を大きくしてみたり小さくしてみたりしたほうがいい。
大音量でミックスしていると見えなかった部分が音量を絞ることで見える場合もある。
ダッキングの場合も音量を絞ることで余計な情報がカットされることで楽曲全体のノリが把握しやすくなったりするので、調整をしたら音量を絞って再確認してみることをオススメする。

・・・なんかめんどくさい

便利なプラグインを使う

・・・まあもうサイドチェインではないわけだが(笑)
世の中には疑似サイドチェインに特化したプラグインが多数存在する。
FL Studioに付属しているGross Beatなんかも有名。

・・・邪道と思われるかもしれないが・・・結構・・・みんな・・・持ってます(笑)

・・・邪道と思われるかもしれないが・・・結構・・・みんな・・・やってます(笑)

・・・邪道と思われるかもしれないが・・・ぶっちゃけ・・・今や・・・それがスタンダードになってます(笑)

あ、上のサンプルはちゃんとコンプレッサーでダッキングしましたよ?

まとめ

今回はここまで。
最重要ポイントはリリース・タイムだが、アタック・タイムやトリガーにするキックの波形もグルーブを左右する重要な要素になっているので注意。
最近ではすっかりクラブミュージック向けの手法というイメージのダッキングだが、その他のジャンルの楽曲においてもうっすら掛けることでキックとベースのグルーブ感をうまくまとめあげることもできる。
また、我の強いドラマーとベーシストの低域争奪戦の対策としても使える手法なので、是非試してみてほしい。

次回からは、実際のソースにコンプレッサーを掛けていってみようと思う。

ではでは。

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