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超初心者のためのミキシング講座/コンプレッサー編⑥【余韻のコントロール】

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余韻のコントロール

では、音の余韻をコントロールしたい場合は、どこをどうしたらいいか?
まあ、改めて説明する必要もない気もするが念のため(笑)

○余韻の持続時間をコントロールしたい場合

Sustainが0の場合は「D(Decay Time)」

Sustainが0以外の場合は「R(Release Time)」

この2つの値が大きければ大きいほど音の余韻は長くなり、小さければ小さいほど短くなる。

111.001

また、

Sustainが0の場合は「D(Decay Time)」中の音量

Sustainが0以外の場合は「R(Release Time)」の音量

この2つの値が大きければ大きいほど音の余韻はハッキリ聴こえるようになり、余韻を濃く感じるようになる。

111.002

どこを圧縮すればいい?

では、そんな余韻をコンプレッサーでコントロールしてやるにはどこを圧縮してやればいいかを考えてみる。
○余韻を短く、薄くしたい場合
これは比較的簡単に想像できると思う。
単純に余韻部分全体(アタック部分以降)を圧縮してやればいい。

プレゼンテーション 2.018

こうすれば余韻を短く、薄くできる。

○余韻を長く、濃くしたい場合

「長くなんてできんのか!?」

っとお思いかもしれないが、こういうことだ。
コンプレッサーでアタック部分を圧縮して・・・

プレゼンテーション 2.020

例のごとく出力レベルを上げると・・・

プレゼンテーション 2.021

余韻部分のレベルも大きくなる。
さらに、今まで聴き取れなかった余韻音も聴こえてくるようになり、結果的に余韻を長く、濃く感じるようになる。
っということで、圧縮してやるのはアタック部分。

パラメータの設定

では各パラメータの設定を考えていってみる。
ぶっちゃけ前回の内容とカブってくるところが多いがご愛嬌。

余韻を短く、薄くしたい場合

まずは波形をどのような形に加工してやりたいかを再確認。

プレゼンテーション 2.001

こんな感じ。
では各パラメータをどう設定してやればこんな形に加工できるかを考えてみる。
単純に考えれば以下のような設定でイケるはず。

111.007

・アタックは波形のアタック部分が極力つぶれないように遅め(アタック部分を過ぎた後)に設定。
・スレッショルドは余韻部分が圧縮の対象に入るように設定。
・レシオは2:1~4:1くらいで潰してやる。
・リリースは自然に聴こえるように設定。

これでOK・・・なのだが、実はこの設定を鵜呑みにしすぎるとちょっとした問題が起きる
どんな問題か?
っというのも、実際の曲には「次の音」というものがあり、曲中では先ほどのような波形が連続して並んでいる。
で、ここで想像してほしいのが実際の曲中では、余韻が完全に消える前に次の音を迎える場合が多いということ。
つまりはこんな感じ。

プレゼンテーション 2.002

先ほどのスレッショルドの線を引いてみると・・・

プレゼンテーション 2.003

・・・スレッショルドを下回る部分がなくなってしまう。
この状態では一度スレッショルドの値を超えたらずっっとコンプ掛かりっぱなしになってしまう。

「別に掛かりっぱなしでもいいじゃねーか!」

という人もいるかもしれないが、コンプ掛かりっぱなしという状態は圧縮した音をさらに圧縮していくことになる。

111.008

ボーカルのようにスレッショルドを下回るタイミングがあちこちにあるソースならアリだろうが、曲中ずっと鳴っているようなソースをコンプ掛かりっぱなしにするのはちょっといただけない。
かといってスレッショルドを浅くすれば余韻部分が圧縮対象に入らなくなる。

さて、どうしたものか?

ここで活躍するのが「リリース」。
思い出してみてほしい。
リリースは「レベルがスレッショルド値を下回った後、どのくらい圧縮を続けるかを設定するパラメータ」。
そう。
つまりリリースはスレッショルド値よりも小さいレベルの音を圧縮できる唯一のパラメータなわけだ。
こいつを上手に使ってやれば、スレッショルドが余韻部分に届いていなくても余韻部分を圧縮できる。
イメージとしてはこんな感じ。

プレゼンテーション 2.005
・アタックは波形のアタック部分が極力つぶれないように遅め(アタック部分を過ぎた後)に設定。(40ms程度~)
・スレッショルドは余韻部分が圧縮の対象に入らなくてもいいので、コンプ掛かりっぱなしにならないように設定
・レシオは余韻が目的の小ささ、薄さに聴こえる値を探る。(推奨値は2:1~8:1程度)
・リリースは余韻部分を圧縮しつつ、コンプ掛かりっぱなしにならない値に設定。

こんな設定にしてやれば、コンプ掛かりっぱなしやアタック部分の潰れすぎを防ぎつつ、上手に余韻をコントロールすることができる。
先程の連続した波形の例で言えば以下のような感じ。

プレゼンテーション 2.006

余韻を大きく、濃くしたい場合

圧縮対象はアタック部分なので、コンプレッサーのアタック・タイムは速めに設定。

111.012
・アタックは波形のアタック部分を抑え込むために速めに設定。(~20ms程度)
・スレッショルドは余韻部分が圧縮対象に入らないように設定。
・レシオは比較的低めに設定。(推奨値は2:1〜4:1程度)
・リリースはアタック部分を圧縮し終えたら速攻で解除する気持ちで設定。

スレッショルドを深く、レシオを大きくすればするほど余韻部分を持ち上げられるが、必要以上にアタックが目立ってくるので、ゲインリダクションは大きくても7dB程度に留めておいたほうがいいのではないかと思う。

まとめ

今回はここまで。
で、最後にものすごく重要なことをひとつ。
今回は説明のために全く同じ波形を連続して並べて説明したが、実際の楽曲というものは様々な波形が並んでいる
ということは、最大音量地点「A」の音量も次の音までの距離も場所によってバラバラなわけだ。
なので、コンプのスレッショルドやアタック・タイムやリリースを一部分の波形に合わせて設定してもぶっちゃけ全く意味がない(笑)
あくまで楽曲全体を通して多くの波形のアタックが平均的にイメージに近づくような設定を探してやるのが正解。
今回の内容は、「コンプでアタックを強調する場合、ひとつひとつの波形ではこんなことが起きてますよ~」的なものだと思ってほしい。

ポイントをまとめると、

・まずどこを圧縮するのかをしっかりと決める。
・次にそこを圧縮するためには各パラメータをどうしたらいいのかを考える(特にアタックとリリース)。
・不自然な仕上がりのところがないかをチェック。(わざとらしさ、ポンピング現象等)
・狙い通りにアタック感がコントロールできているか(当然)

といったところ。
やっぱり重要なのはアタックとリリース。
ぶっちゃけリリースについてはソースによってはどうにも上手くいかない場合もあると思う。
そんなときは、

コンプ意外のエフェクトを試す(笑)

今の世の中コンプレッサー以外にもいろんなエフェクトがある。
コンプレッサーはあくまで手段。
違うエフェクトを使ったほうが良い結果になる場合もたくさんある。
ちなみに、こんなプラグインもあるので参考までに。

次回は、番外編ということで「サイドチェイン」の解説をしてみたいと思う。

ではでは。

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