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超初心者のためのミキシング講座/コンプレッサー編⑤【アタックのコントロール】

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パラメータの設定

では各パラメータの設定を考えていってみる。
今回は今までよりもちょっとややこしくなるので心して挑んでほしい。

最大音量地点「A」以降が長くて大きいソースの場合

まずは波形をどのような形に加工してやりたいかを再確認。

名称未設定-2 のコピー.027

こんな感じ。
では各パラメータをどう設定してやればこんな形に加工できるかを考えてみる。
単純に考えれば以下のような設定でイケるはず。

名称未設定-2 のコピー.030

・アタックは最大音量地点「A」が極力つぶれないように遅め(最大音量地点「A」を過ぎた後)に設定。
・スレッショルドはアタック部分以降が圧縮の対象に入るように設定。
・レシオは2:1~4:1くらいで潰してやる。
・リリースは自然に聴こえるように設定。

これでOK・・・なのだが、実はこの設定を鵜呑みにしすぎるとちょっとした問題が起きる
どんな問題か?
っというのも、実際の曲には「次の音」というものがあり、曲中では先ほどのような波形が連続して並んでいる。
で、ここで想像してほしいのが実際の曲中では、アタック部分以降が完全に消える前に次の音を迎える場合が多いということ。
つまりはこんな感じ。

名称未設定-2 のコピー.031

この波形のアタック部分以降が圧縮対象になるようにスレッショルドの点線を引いてみると・・・

名称未設定-2 のコピー.032

・・・スレッショルドを下回る部分がない。
っということは一度スレッショルドの値を超えたらずっっとコンプ掛かりっぱなしになってしまうわけだ。

「別に掛かりっぱなしでもいいじゃねーか!」

という人もいるかもしれないが、コンプ掛かりっぱなしという状態は圧縮した音をさらに圧縮していくことになる。

名称未設定-2 のコピー.033

ボーカルのようにスレッショルドを下回るタイミングがあちこちにあるソースならアリだろうが、曲中ずっと鳴っているようなソースをコンプ掛かりっぱなしにするのはちょっといただけない。
かといってスレッショルドを浅くすればアタック部分以降が圧縮対象に入らなくなる。

さて、どうしたものか?

ここで活躍するのが「リリース」。
思い出してみてほしい。
リリースは「レベルがスレッショルド値を下回った後、どのくらい圧縮を続けるかを設定するパラメータ」。
そう。
つまりリリースはスレッショルド値よりも小さいレベルの音を圧縮できる唯一のパラメータなわけだ。
こいつを上手に使ってやれば、スレッショルドがアタック以降の部分に届いていなくてもアタック部分以降を圧縮できる。
イメージとしてはこんな感じ。

名称未設定-2 のコピー.034
・アタックは最大音量地点「A」が極力つぶれないように遅め(最大音量地点「A」を過ぎた後)に設定。(40ms程度~)
・スレッショルドはアタック部分以降が圧縮の対象に入らなくてもいいので、コンプ掛かりっぱなしにならないように浅めに設定
・レシオはアタックが強調して聴こえる値を探る。(推奨値は2:1~8:1程度)
・リリースはアタック部分以降を圧縮しつつ、コンプ掛かりっぱなしにならない値に設定。

こんな設定にしてやれば、コンプ掛かりっぱなしやアタック部分の潰れすぎを防ぎつつ、上手にアタックを強調させてやることができる。
先程の連続した波形の例で言えば以下のような感じ。

名称未設定-2 のコピー.036

リリースで潰す。
初心者の人にはちょっと酷な話だが、この処理をするためには今現在コンプレッサーのアタック・タイム、リリース・タイムがどの位置にあるのかを把握できる耳と想像力が必要になる。
ポイントとしては前回同様、まずはパラメータを最速に設定、徐々に遅めていき狙ったポイントを狙い撃ちするイメージ。
慣れるまでは、レシオとゲインリダクション量を派手に大きくしてパラメータを最速からゆっくりと遅めていってみてほしい。
徐々に、ソースのアタック・タイムの途中にいる感覚、アタック・タイムを登り切った感覚、アタック全体がひょこっと顔を出した感覚などが掴めるようになるはず。

最大音量地点「A」以降が短くて小さいソースの場合

こちらも基本的な考え方は一緒。
リリースをうまく使ってアタック部分以降を圧縮してやる。
ただし、今回は最大地点「A」も圧縮の対象なので、コンプレッサーのアタック・タイムは速めに設定。

名称未設定-2 のコピー.001
・アタックは最大音量地点「A」を抑え込むために速めに設定。(~20ms程度)
・スレッショルドはアタック部分以降が圧縮の対象に入らなくてもいいので、ターゲットを最大音量地点「A」にさだめて設定
・レシオは圧縮による音質の変化を確認しながらアタック部分以降もしっかり潰せる値に設定。(推奨値は2:1〜8:1程度)
・リリースはアタック部分以降を圧縮しつつ、なるべく次の音かからない値に設定。

ゲインリダクションは、大きくても7dB程度に留めておいたほうがいいのではないかと思う。
ま、これは曲のイメージや好みにもよる。

まとめ

今回はここまで。
で、最後にものすごく重要なことをひとつ。
今回は説明のために全く同じ波形を連続して並べて説明したが、実際の楽曲というものは様々な波形が並んでいる
ということは、最大音量地点「A」の音量も次の音までの距離も場所によってバラバラなわけだ。
なので、コンプのスレッショルドやアタック・タイムやリリースを一部分の波形に合わせて設定してもぶっちゃけ全く意味がない(笑)
あくまで楽曲全体を通して多くの波形のアタックが平均的にイメージに近づくような設定を探してやるのが正解。
今回の内容は、「コンプでアタックを強調する場合、ひとつひとつの波形ではこんなことが起きてますよ~」的なものだと思ってほしい。

ポイントをまとめると、

・まずどこを圧縮するのかをしっかりと決める。
・次にそこを圧縮するためには各パラメータをどうしたらいいのかを考える(特にアタックとリリース)。
・不自然な仕上がりのところがないかをチェック。(わざとらしさ、ポンピング現象等)
・狙い通りにアタック感がコントロールできているか(当然)

といったところ。
やっぱり重要なのはアタックとリリース。
ぶっちゃけリリースについてはソースによってはどうにも上手くいかない場合もあると思う。
そんなときは、

コンプ意外のエフェクトを試す(笑)

今の世の中コンプレッサー以外にもいろんなエフェクトがある。
コンプレッサーはあくまで手段。
違うエフェクトを使ったほうが良い結果になる場合もたくさんある。
ちなみに、こんなプラグインもあるので参考までに。

次回は「余韻をコントロールする」場合のコンプの使い方の解説をしてみたいと思う。

ではでは。

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