アタックとサスティンを自由自在にコントロール。便利すぎるプラグイン・エフェクト「SPL Transient Designer」

どもども。
SPLというブランドのTransient Designerというエフェクトをご存知だろうか?
その筋の方の間では非常に有名な代物らしく、たま~に本や雑誌なんかでも見かけるのだが、たまたまUniversal AudioのUAD-2プラグインが上期決算セールで99ドルになってたのでデモ版を試してみたら、笑えてくるほど便利だったので少し紹介させていただく。

SPL

Transient Designerはいわゆるダイナミクス系のエフェクトで、ソースのアタックやサスティンをコントロールするためのエフェクト。
大きい括りで言えばコンプレッサーやゲートなんかの仲間になる。
パラメータは非常にシンプルで、

・ATTACK
・SUSTAIN
・OUTPUT GAIN

の3つのみ。
言ってもOUTPUT GAINはOUTPUT GAINなので、実質パラメータはアタックとサスティンの2つのみということになる。
このアタックはコンプレッサーなどにあるアタックタイムとは意味合いが異なり、単純にアタック部分ををどのくらい増幅、または減衰させるかをコントロールするパラメータ。
サスティンについても単純に余韻部分をどのくらい増幅、または減衰させるかをコントロールするパラメータとなっている。
いわゆるアタックタイムやリリースタイムをコントロールするパラメータは存在しないわけだが、おそらくは主に打楽器のアタックとサスティンを最適にコントロール出来る仕様になっている模様。

例えば、キックなどのアタックやサスティン(ここでは余韻のことだと思ってほしい)をコントロールしたい場合、一般的にはコンプレッサーかゲートを使うと思う。

「アタックを残しつつ余韻部分をぶっ潰す」

もしくは、

「一定レベルに満たない音をぶった切る」

のどっちかだろう。
ただ、コンプレッサーならアタック部分を残しつつ余韻部分をどのくらい潰すかをリリースとスレッショルドでコントロールしたり、ゲートならアタックを設定した後、どのレベル以下をぶった切るかをスレッショルドで設定、ホールドとリリースで減衰の仕方をコントロールしたりと、様々なパラメータを細かく調整してサウンドを仕上げていかなければいけない。(ま、これがまた面白いと言えば面白いのだが・・・。)
場合によってはコンプレッサーを複数使用したり、ゲートと併用して余韻を調整したりしなければならない。

ところがですよ?

このTransient Designerを使うとですよ?

いとも簡単にアタックとリリースをコントロール出来ちゃうんですわ。

アタックを強めたい時はATTACKのツマミを右にグルリ。
弱めたい時は左にグルリ。
余韻を強めたい時はSUSTAINのツマミを右にグルリ。
弱めたい時は左にグルリ。

・・・以上。

それだけで思わずニヤけてしまうほど思い通りにアタックとサスティンがコントロール出来る
コンプレッサーやゲートでキックの余韻をコントロールする時って結構頭を悩ませるじゃないですか。
かなり深くかけなきゃ余韻が消せなかったり、リリースを遅めにしなきゃだけど場所によっては次の音符との距離が近かったり。
ま、技術的なことはよく(・・・というか全く)わからんが、こいつはそんな悩みも上手いこと解決してくれる。
もちろん単にアタックを強調したい場合もチョチョイのチョイで完了。
打楽器以外のソースのアタックの調整にも使えるだろう。
SUSTAINを絞っていけばゲート的な使い方も出来ると思う。

・・・すんごい便利

ちなみに、今回紹介したのはUniversal AudioのUAD-2プラグインだが、PLUGIN ALLIANCEからもTransient Designerのプラグインがリリースされている。
こちらはDSPではないがデモ版も用意されているので、試してみたい方は是非ツマミを回してみてほしい。

PLUGIN ALLIANCE Transient Designerプラグイン紹介ページへ。
UAD-2 Transient Designerプラグイン紹介ページへ。

これから筆者は、あの日仕留めきれなかったあの曲のあの場所をこいつで仕留めに行こうと思う。