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超初心者のためのミキシング講座 / 予備知識編

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音の上下

さて、次は音の上下。

「いやいや!スピーカーは2つしかないし、両方同じ高さに置いてあるから上下は無いでしょ!」
「同じ高さにある耳の穴にイヤホン突っ込んでるんだから高さはみんな同じでしょ!」

と思った人もいると思う。

・・・いない?

ちなみに筆者はミキシングを始めて勉強したときに、

「上下は物理的に不可能だろ!」

と思った人間である。

・・・筆者だけ?

ま、思った人がいるという体で話を進めさせてもらう。
この音の上下というのはいわゆる音の「高低」のことである。
腹にズーンと響く低い音と耳にキーンとくる高い音というのが一番わかりやすい例だろうか?
この聴こえ方の違いは、音の周波数成分の違いによるもので、基本的に、

周波数が高い音ほど上の方から聞こえる。
周波数が低い音ほど下の方から聞こえる。

という特徴がある。
この特徴を利用して音の上下の配置をコントロールしてやるわけだ。
周波数の単位には「Hz(ヘルツ)」が用いられ、人間の耳で聴くことが出来る周波数帯域はおよそ20~20,000Hzと言われている。
20Hzに近いほど下の方から聴こえ、20,000Hzに近づくほど上の方から聴こえてくるというわけだ。
例えば、キックやベースは30~200Hzあたりの周波数成分を多く含んでいる。
対して、ハイハットやシンバル等は4,000~16,000Hzあたりの周波数成分を多く含む。


キックの周波数成分。

ハイハットの周波数成分。

この場合、楽曲の中でキックやベースは下の方から、ハイハットやシンバルは上の方から音が聴こえるということになるわけだ。

・・・ということは。

そう。
音の上下の配置は各パートの周波数特性でほぼほぼ自動的に決まるわけだ。
じゃ、調整なんていらないじゃん!と言いたいところだがそうでもない。
ミキシング初心者の方に衝撃的な事実をお見せする。
以下の図を見て欲しい。

これは代表的なパートの周波数特性を大雑把にまとめたものだが、どのパートの周波数成分もほぼほぼ可聴周波数全域に広がっていることがわかると思う。
このように、実は楽器の周波数成分はメインとなる周波数成分というものはあるものの、他にも様々な周波数成分で構成されており、楽曲の中ではそれらが複雑に重なり合っている
つまり、何の処理もしてやらなかった場合、各パートの音の出どころははっきりしておらず音の上下の配置がぐちゃぐちゃな状態になっているわけだ


何の処理もしていない状態のイメージ。
見てのとおりグチャグチャ。

そこで、イコライザーなどのエフェクトを使用して各ソースの周波数成分を整理してやることで、上下の配置が明確になるように調整してやるわけだ。


周波数帯域の住み分けをしてやることで各ソースの音がしっかりと聴こえるようになる。

こんな感じで音の上下の配置を考えていく。
ただし、ここで作る上下の配置はあくまで各パートのメインとなる周波数成分の配置だということを覚えておいてほしい。
先ほどの図のように、各楽器の周波数成分はほぼほぼ可聴周波数全域に広がっている。

「かぶらなきゃいいんでしょ?だったら周波数が重なってる部分を全部カットしちゃえばいいじゃん!」

と思った方もいるかもしれないがそう単純なものでもない。
周波数特性を変化させるということは音色を構成する成分を変えるということ。
音色の変化を伴うわけだ。
キックのように各周波数帯域に空気感、アタック音、ビーターが当たる音等いろいろいろな要素がちりばめられている場合も多い。
下手な箇所をバッサリカットすると音色を構成する重要な部分を削ぎ落としてしまう可能性があるのである。
アタック感ゼロのキック、ボディの鳴りがゼロのギター、まるでタムのようなスネア、やせ細ったボーカル・・・やってみればわかるがとても聴けたもんじゃない。
なので、ここでの配置はあくまで各パートのメインとなる周波数帯域の配置
各パートの周波数帯域をバッサリと分離させるというわけではなく、メインとなる周波数帯域の位置がかぶらないようにバランスよく重ねていくというイメージになる。

ステレオとモノラル

さて、最後にもうひとつだけ予備知識を。
ステレオのオーディオデータは左右2chで構成されてるが、これに対して1chだけで構成されるオーディオデータをモノラルと呼ぶ。
このステレオとモノラルという概念は最終的なオーディオデータだけの話ではない。
各トラックのソースにもステレオとモノラルというものがある
面白いのは、現在音楽を聴く方式はステレオが主流だが、各トラックのソースはモノラルで扱うのが一般的。
モノラルソースはステレオに比べて何かと扱いやすい安定しやすいと言われている。
実際に比べてみると、音が一点に集中しているため非常に扱いやすく感じるはずだ。
もちろん、パッドやストリングスなど左右に大きく広げたいパートや、響きを重要視したいアコースティックギターなどはあえてステレオで扱ったりするが、特別理由がない場合はモノラルで扱うのが一般的ということを覚えておいたほうがいい。
今回はレコーディングの方法については触れないが(・・・というか触れられない)、各楽器のレコーディングをする場合もステレオ、モノラルを使い分けてレコーディングを行う。

まとめ

「ミキシングと言えばイコライザーやコンプレッサー」というイメージが強い人も多いと思うが、それらは「こうしたい」という目的があって初めて使用するもの。

この作品をこう聴かせたい。

そのためにはこんな空間を表現する必要がある。

となるとこんな配置にしなければならない。

だからエフェクトを使う。

これが本来の流れ。
コンプにしろイコライザーにしろ、使ってみたいからとかミキシングと言えばこれらしいからという理由で目的もなく挿すなんてことをやってしまうとミキシングはなかなか上手くいかない。
どんな空間を表現するのかをしっかり決めて、それを達成するための手段を身につける勉強をしたほうが俄然上達する。
まずは作品をどう聴かせたいか。
これが重要。

というわけで、今回はミキシングの基本的な知識と考え方について偉そうに能書き垂れさせてもらった。

次回は「下ごしらえ編」。

より実践的な内容に移っていこうと思う。

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