2016総まとめ! リーズナブルオーディオインターフェース特集。

※この記事は2014年に書かれたものです。
最新の情報は以下を確認してください。

→【2018年】リーズナブルオーディオインターフェース特集。

知り合いの楽器屋さん曰く、最近はオーディオインターフェースにあまりお金を掛けないDTMユーザーが多いらしい。
昔と比べてリーズナブルな高機能オーディオインターフェースが増えてきたことも要因のひとつだろう。
また、変な話だがDTM目的でDTMを始めるユーザーが増えたのも要因のひとつ。
昔はバンドをやっている人間や楽器をやっている人間が、パソコンを使ってレコーディングやミックスをする目的でDTMを始めるというパターンが多かった。
しかし最近は、ボーカロイドの普及や音源、エフェクトのクオリティがベラボーに向上し、

「ボカロPになりたい」

「一人で曲を製作できるDTMをやってみたい」

というように、初めからDTMというものがやりたくてDTMを始めるというパターンが増えてきた。
そうなってくると、

「一人でDTMやるだけだから入出力数は1〜2系統で十分!」

「歌わせるのはボカロだし楽器も録音しないから入力音の善し悪しはそんなに気にしない。」

というユーザーが増えるのも当然。
各メーカーがそんなニーズに応える製品に力を入れてくるのも当然。
最近はオーディオインターフェースにDAWが付属するのも当たり前になっているし、非常にハイクオリティなリーズナブルオーディオインターフェースが増えた。
というわけで、今回は比較的入出力が少なく、一般的なDTM用途であれば十分なクオリティのリーズナブルオーディオインターフェースを集めてみた。

STEINBERG UR12

人気のDAW「Cubase」でおなじみSTEINBERGのコンパクトオーディオインターフェース。
超低価格ながら最大24bit/196kHzでの高解像度録音に対応している。
入力には、Yamahaの誇るマイクプリアンプ D-PRE を搭載したXLR/TRSコンボ端子とTRS端子をそれぞれ1つずつ搭載。
ギターからコンデンサマイクまで、あらゆるソースをこれ一台でレコーディングすることが可能。
必要最小限の機能がぎゅっと凝縮された一台で、個人でDTMを楽しみたいユーザーの入門オーディオインターフェースとしてオススメできる。
また、人気のDAW「Cubase」の機能限定版である「Cubase AI」が付属するため、DAW・音楽製作ソフトを持っていない初心者の方でも、これさえ買えばすぐにDTMを始めることができる。
Cubaseはボーカロイドとの連携に関しては今のところ敵なしなので、ボカロ目的でDTMを始めたいユーザーにはイチオシ。
さらに、iPadへの接続も可能となっており、同社のiPadアプリ「Cubasis」でのレコーディングなども可能。

メーカーHPへ。

ギター入力:〇
ダイナミックマイク:〇
コンデンサーマイク:〇
動作環境
Win/Mac/iPad
対応オーディオドライバ
ASIO/Core Audio
オーディオ解像度
最大24bit/192kHz
入出力
2in2out
INPUT1(XLR、TRS)、INPUT2(TRS)
OUTPUT L、R(RCA)
接続方式
USB2
電源
USBバスパワー
同梱DAWソフト
Cubase AI

Steinberg UR22

同じくSTEINBERGのオーディオインターフェース。
上記UR12の兄貴的位置づけでマイクプリ、ファンタム電源付きのXLR、TRSのコンボ端子を2基搭載。
こちらも同じく「Cubase AI」付属。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac
オーディオ解像度:最大24bit/192kHz
入出力:2in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Cubase AI

TASCAM US366

こちらはSONARシリーズでおなじみTASCAMの超コスパ激高オーディオインターフェース。
デジタル入出力にも対応し、合計6in6outの入出力、24bit/192kHzでの録音が可能。
マイクプリ内蔵XLR/TRSの入力端子を2系統装備しており、コンデンサーマイクからギターまであらゆる入力に対応。
また、DSPミキサーを内蔵しており、入力音にコンプレッサー、ノイズサプレッサー、ディエッサー、エキサイター、3バンドイコライザーをかけることができる。
モニター音にリバーブをかけることもできるので、ボーカル録音のモニタリングもしやすい。
さらに、生放送向けのモードという機能も搭載。
Gibson Brands社にCakewalk株が譲渡されるまでは「Cubase LE」がバンドルされていたが、国内での販売元がTASCAMに移行した現在は、人気のWin専用DAW「SONAR」の機能限定版である「SONAR X3 LE」が付属、Macユーザーには「Ableton Live Lite」が用意されている。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac
オーディオ解像度:最大24bit/192kHz
入出力:最大6in6out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Sonar X3 LE、Ableton Live Lite

TASCAM US-2×2

こちらもTASCAMのコンパクトオーディオインターフェース。
前述のUS366とはコンセプトが異なり、必要最小限の機能に絞りこんだシンプルでわかりやすい製品。
オーディオ解像度もUA366が24bit/192kHzなのに対してこちらは24bit/96kHzだが、ぶっちゃけ192kHzというサンプリングレートは全てのユーザーが求めるスペックではなかったりする。
経験者はご存知かと思うが、192kHzでのレコーディングは重すぎてその後の処理も大変だし、その他の処理に手間暇かけた方がクオリティは上がったりするし、ジャンルによってはキレイすぎて逆にしっくり来なかったりと、決して全てのDTMユーザーが求めるスペックではない。
そういった部分を削ぎ落とし、音質などに関わる基本的な部分の性能向上をローコストで実現した製品。
Win/Macの他にiPadへの接続にも対応している。
こちらも人気DAW「SONAR」の機能限定版である「SONAR X3 LE」をバンドル。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac/iPad
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
入出力:最大2in2out
付属ソフトウェア:Sonar X3 LE、Ableton Live Lite

Focusrite Scarlett Solo

Focusriteは、チャンネルストリップやマイクプリアンプで高い評価を得ているブランド。
Scarlettシリーズは、そんなFocusrite社製のマイクプリを1基搭載したコンパクトタイプのオーディオインターフェース。
Scarlett Soloは、最大24bit/96kHzのオーディオ解像度に対応する入出力2in2outの超シンプル設計。
Focusriteのマイクプリは各方面で昔から評価が高く、「Focusriteのマイクプリが搭載されている。」と聞いただけで反応してしまうユーザーもいるだろう。
また、数多くのチャンネルストリップやマイクプリアンプを作り上げてきたFocusriteの技術を活かしたScarlett Plug-in Suite(EQ、コンプ、リバーブ)というプラグインが付属し、ミキシングやマスタリングで使用できる点も嬉しい。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
入出力:2in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Ableton Live Lite(DAW)、Loopmasters(1GBの著作権フリーサンプル素材集)、Novation Bass Station(ソフトシンセサイザー)、Focusrite Scarlett Plug-in Suite(EQ、コンプ、リバーブ)

Focusrite Scarlett 2i2

前述Scarlete SoloがFocusrite製のマイクプリアンプを1基搭載しているのに対してこちらは2基搭載している。
また、付属ソフトウェアがSoloと微妙に違うので注意。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
入出力:2in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Ableton Live Lite(DAW)、Focusrite Scarlett Plug-in Suite(EQ、コンプ、リバーブ)

PreSonus AudioBox 22VSL

本格的なミキサー機能を求めるならこのAudioBox 22VSL。
オーディオインターフェースの機能は、最大24bit/96kHzでの使用に対応する2in2outタイプと他の製品と変わりはないが、付属するVirtual StudioLive(VSL)ソフトウェアによって、モニターおよびレコーディング時にリバーブ、ディレイ・エフェクト、StudioLive 16.0.2のFat Channelセクションと同等のチャンネル・ストリップ(コンプレッサー、リミッター、セミパラメトリックEQ、ハイパス・フィルター)を使用可能。
インサート系のエフェクトについては掛け取りも出来る。
ま、この入力数ではあまり旨味を感じない機能かもしれないが、ミキサーとしての使用も検討しているユーザーにはなかなかそそる機能。
次世代DAW「Studio One」の機能限定版「Studio One Artist」が付属。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
入出力:2in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Studio One Artist、Virtual StudioLive

PreSonus AudioBox iOne

余計な機能一切なし。
超シンプルな1in2outオーディオインターフェース。
・・・オススメする理由が・・・これと言って・・・ない。
そのくらいシンプル。
しいて言えばiPadへの接続が可能ということが売りだろうか?
「Studio One Artist」が付属。
ただ、「Studio One Artist」はVSTやAU等のサードパーティ製プラグインが使えないので、DAW目的での購入や音源を使用するつもりのユーザーにはオススメ出来ない。
同じ価格帯の「UR22」や「US-2×2」に付属する「Cubase LE」や「SONAR X3 LE」はそれらが使えるるわけですから。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac/iPad
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
入出力:1in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Studio One Artist

PreSonus AudioBox iTwo

前述「AudioBox iOne」の入出力2in2outバージョン。
その他に大きな違いはない。

ギター:〇
マイク:〇
ライン:〇
動作環境:Win/Mac/iPad
オーディオ解像度:最大24bit/96kHz
入出力:2in2out
接続方式:USB2
電源:USBバスパワー
付属ソフトウェア:Studio One Artist
まとめ

個人的にこのクラスのオーディオインターフェースは入力、出力共に極端に音質が良い、悪いというものは無いと思う。
オーディオ解像度についても、単純に96kHzよりも192kHzでのレコーディングのほうが良い結果を得られるとも限らないし、この価格帯のオーディオインターフェースを選ぶときは、付属するDAWやDSPエフェクト、ミキサー機能の有無等、付加価値でチョイスするのが得策だと思う。
何ならデザインで決めるというのも有りだろう。
ただ、付属するDAW目的でチョイスする場合は、今後、そのシリーズのDAWに長いことお世話になる可能性が高いということは覚えておいた方がいいだろう。
使いなれたDAWから他のDAWに乗り換えるのって意外とめんどい。
それから、PreSonusのAudioBoxに付属するDAW「Studio One Artist」は、上位版に有料アップグレードしない限り、VSTやAUなどのサードパーティ製のプラグインが使用出来ないということは覚えておいた方がいいだろう。