UAD-2プラグイン搭載オーディオインターフェース Universal Audio 「Apollo Twin」 レビュー。

久々にDTMの買い物を。

Universal AudioApollo Twinである。

Apollo Twinには、DSPプロセッサを1基搭載した「Apollo Twin Solo」と、DSPプロセッサを2基搭載した「Apollo Twin Duo」の2ラインナップがリリースされているが、いろいろ話を聞かせてもらってDSP×2のDUOを購入した。

実はこのApollo Twin、前々から気になっていた製品で、楽器屋さんで出音を視聴したらなかなかの音質だったので思い切ってその場で購入してしまった。
なかなかの音質」という表現にしたのは、正直出音については現在使用しているRMEのBabyfaceのほうがいいな〜という感想を持ったからだ。
これはBabyfaceの音が聞きなれているからなのかもしれないし、モニタ環境も違うので何とも言えない。
あくまで自分が満足できる出音かという観点で視聴した結果、十分満足できる出音だったということで「なかなかの音質」という表現にさせてもらった。

じゃ、Babyfaceでいいじゃねーかよ!と突っ込まれそうだがそうでもない

そもそも筆者がApollo Twinに魅力を感じている部分は出音ではないのである

Universal AudioはアウトボードやUAD-2というDSPプラグインで有名なブランドで、Apolloは同社が販売するUAD-2プラグインが使えるDSPチップ搭載のオーディオインターフェース。
DSPが何のことだかわからない方はこちらのページを読んでみてください。

基本的なスペックは、

オーディオ解像度 : 24bit/192KHz
入出力2in/6out(アナログ)
接続方式 : Thunderbolt(現段階ではMac専用)
バンドルUADプラグイン : Realtime Analog Classics
※Realtime Analog Classicsバンドルの内容
・UA 610-B Tube Preamp and EQ
・ Teletronix LA-2A Classic Leveling Amplifier (Legacy)
・ 1176SE/LN Classic Limiting Amplifiers (Legacy)
・ Pultec Pro EQ (Legacy)
・ RealVerb-Pro、CS-1 Precision Channel ・ Softube Amp Room Essentials (“Amp Room Half-Stack” 、”Bass Amp Room 8×10″)

といった具合。
今となってはよくあるスペックだろう。
確かにUADプラグインが使用出来るのは魅力的だが、ぶっちゃけ筆者は今までオーディオIFに付属するDSPプラグインはほとんど使った試しがない。
BabyfaceのtotalMixFXはまったく使わなかったし、MOTUの828に付いてたCueMixFXもほとんど使わなかった。
そのまま掛け録り出来るわけじゃないし、ミックスはもっぱらWavesのプラグインを使うので正直出番がないのである。
オーディオインターフェースそのものをミキサーのように使いたいユーザーにとってはありがたい機能だが、コンピュータの性能がすこぶる向上している現在、筆者のような自宅でひっそりとDTMをやっているユーザーがあえてDSPを使う必要はないだろう。
その考えは今でも変わっていない。

では、そんな筆者がなぜApollo Twinに惚れてしまったのか?

理由が2つある。

理由その1、DSPで動作するマイクプリやチャンネルストリップが掛け録りできるという点。

「そんなもん、後からかければよいいんじゃなくて?」

って声も聞こえてきそうだが、後からかけるにしても下ごしらえはしときたいというユーザーは筆者だけではないはず。
で、下ごしらえをするためには、やっぱりハードのコンプやマイクプリ、チャンネルストリップが必要になるわけだが、素人には高級ハードコンプやマイクプリ、チャンネルストリップなんぞ用意出来ないのである。
そんな筆者にとって、ボーカルに掛け録り出来る名器のモデリングマイクプリやチャンネルストリップって非常に魅力的なわけである。
その辺の変なマイクプリやコンプで代用しようとしても質感を損ねるだけだったりするわけで・・・。
ボーカルや生楽器のオーディオの質感って非常に重要なのである。

理由その2、「Unison」というテクノロジーが気になってしょうがないという点。

ま、仮にDSPの掛け録りが出来るオーディオインターフェースが他にもあったとしよう。
このApolloはさらに一歩進んでいる。
この「Unison」というテクノロジーは、挿入したチャンネルストリッププラグインに合わせて、ハード側のマイクプリも最適な設定に調整されるという技術。
つまり、Apollo Twinはプラグインとハードの両方を使って最適なパフォーマンスを発揮するわけだ。
だたし、このテクノロジーが使えるプラグインは今のところApollo Twinに付属する「UA 610-B Tube Preamp」だけ。
これは同社の人気チャンネルストリップUA610をモデルにしたプラグイン。
これね、実機は10万くらいするんですよ。
全く同じ機能は期待していなかったが、かなり良い質感醸し出す。
この「Unison」に対応したプラグインは今後も増えていく予定とのこと。

とまあ、そんな理由で購入を決意したわけですが、今後どんなUnison対応のプラグインがリリースされるかって意味でも楽しみな機材です。

Apollo Twin Solo

Apollo Twin Duo